テヘラン:イランのF-5ジェット戦闘機が月曜、北西部の都市タブリーズの学校の構内に墜落し、乗員2人と通行人1人が死亡したと当局が発表した。
「幸いにも学校はコロナウイルス感染症によるパンデミックのため閉校中だった」と、現地当局のモハマド・バガー・ホナルバー氏は国営テレビに語った。
東アゼルバイジャン州の危機管理部門責任者であるホナルバー氏によると、飛行機は同市の中心地区モナジェムで訓練飛行中、午前9時(0530GMT)頃に墜落したという。
現地赤十字団体の責任者は、飛行機は外壁に激突し、死者のうち1人は近くの住民だったと述べた。
国営通信社IRNAの映像には、墜落現場で炎が上がり、消防士たちが群衆に見守られながら消火活動をしている様子が映っている。
黒くなった学校の外壁の瓦礫の中に、戦闘機の黒焦げの残骸が確認できた。
飛行機はタブリーズのシャヒード・ファクーリ空軍基地に配備されていたと、基地司令官のレザ・ユセフィ将軍は放送局に話し、訓練飛行から戻る途中で技術的な問題が発生し、着陸できなくなったと付け加えた。
イラン空軍は約300機の戦闘機を保有しており、そのほとんどがソ連時代に遡るロシア製のミグ29およびスホイ25戦闘機で、その他も中国のF-7やフランスのミラージュF1などである。
また、欧米の支援を受けていた国王の政権時代に配備された、米国製のF-4やF-5ジェット戦闘機も数機含まれている。同国王は1979年のイスラム革命で追放された。
専門家によれば、これらの飛行機のうち稼働しているのは一部だけだという。
2006年8月、イランはF-5戦闘機に似ているという新型戦闘機「アザラフシュ」(稲妻)を開発したと発表した。
その1年後には、米国のF-18戦闘機に似ているという別の国産ジェット機「サーエゲ」(雷)を公表した。
しかし、西側の軍事専門家の中には、サーエゲはF-5の派生型であると言う者もいる。
月曜日のジェット戦闘機の墜落は、イランの報告した軍用機の事故としては、2019年12月以来のものだった。
公式メディアによると、その時はミグ29戦闘機がテスト飛行中に同国北西部の休火山付近に墜落した。
墜落の3日後に、軍がパイロットの死亡を確認している。
2019年1月には、首都テヘラン近郊で軍用貨物機が着陸に失敗し、滑走路をオーバーランして墜落・炎上した。
当時、軍はこの事故で15人が死亡したと発表した。
また、2011年9月には、タブリーズでの軍事演習中に戦闘機1機が墜落したと、現地メディアが報じている。
イランは、同国政府と世界の大国との間で締結された画期的な核合意から3年後に米国が同合意から離脱した2018年以降、米国からの厳しい制裁措置を受けている。
現在、ウィーンで同合意の復活に向けた協議が行われており、イランは制裁の解除を求めている。
AP