Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • アッバース政権下のパレスチナ自治政府、反体制派の外交パスポートを剥奪

アッバース政権下のパレスチナ自治政府、反体制派の外交パスポートを剥奪

元上級外交官のナセル・アル・キドワ氏。(AFP/ファイル)
元上級外交官のナセル・アル・キドワ氏。(AFP/ファイル)
Short Url:
23 Feb 2022 03:02:10 GMT9
23 Feb 2022 03:02:10 GMT9

モハメッド・ナジブ

ラマラ:パレスチナ自治政府(PA)は、マフムード・アッバース大統領の政策に反対した元上級外交官、ナセル・アル・キドワ氏の外交パスポートを剥奪した。

故ヤセル・アラファト大統領の甥にあたるアル・キドワ氏(68)は、フランスからアラブニュースに語った。同氏によると、外交パスポートの剥奪は、アッバース大統領が2月6日に外交法の改正を発表した直後に行われたという。

外交パスポートは通常のパスポートに変換され、職業も外交官から歯科医に変更されていたという。

アル・キドワ氏は1986年から1991年までパレスチナ解放機構(PLO)の代表として国連に参加。2004年までPLOの国連常任オブザーバーに任命された。その後2005年から2006年にかけて、ハマスが立法府選挙で勝利し、アッバース氏が率いるファタハが敗北するまで、PAの外務大臣を務めた。

彼は1979年に歯科大学を卒業したが、専門的に働いたことはない。パスポートに「歯科医師」と記載されている場合は通常、パレスチナの歯科医師会の会員であることが必要である。

アル・キドワ氏は、最後に所持していたパスポートの詳細が失われ、イスラエルが支配するパレスチナ自治区への入国ができなくなることに懸念を示した。

彼は、PAの動きに対し、こう警告する。「これは、法律に違反し、国益を優先しない、現在のパレスチナ指導部における仕事のスタイルを反映した一連の行動の一部である。論理性がなく、法律を尊重せず、公共の利益を重視しない、イスラエルの願望と一致している」

評論家たちは、アッバース氏の「命令による決定」スタイルがパレスチナの独裁体制につながる危険性を警告している。

今回の法改正は、アッバース大統領が忠誠心の強い者たちに外交パスポートを与えることを可能にするものだと反対派は主張している。特別パスポートの対象者は拡大される一方で、批判者は外交パスポートの剥奪によって抑圧されている。

アル・キドワ氏は、パレスチナのパスポートに加えて、フランス人の妻の名義でフランスのパスポートを持っているが、これは同国に入国するときにしか使っていない。

彼はアラブニュースに語る。「パスポート付与の決定するのは大統領ではなく外務省の仕事である。しかし、外交パスポートの付与に関する先日の法改正で、大統領は好きなようにパスポートを付与し、好きなようにパスポートを取り上げる絶対的な権利を自分に与えてしまった。これは法的に許されない」

彼は、剥奪されたパスポートを取り戻すためのパレスチナの司法制度は「信用していない」とし、支配者が司法制度を「コントロールしている」と考えていると付け加えた。

パレスチナの法律専門家がアラブニュースに語ったところによると、新法には曖昧な条項があり、アル・キドワ氏のケースで使われた可能性が高いという。さらに、アッバース政権の反対派に対しても使われる可能性があるという。

特に人気
オススメ

return to top