
ワシントン:2015年イラン核協定を復活させるための合意に関する交渉は先週あたりから大きく前進したが、非常に難しい問題が残っていると、米国務省の高官が述べた。
「ここ1~2週間で大きな進展があった。我々は解決する必要のある分野を大幅に狭めた。その意味で、合意の可能性に向けて前進している前向きな動きがあった」と、この高官は記者団に語った。
「だから、我々はこれまでよりも良い位置にいる。しかし同時に、非常に深刻な問題が残っていることに留意することが重要だ」
この交渉の目的は、イランの核活動を制限する代わりに石油販売削減など同国に対する制裁を解除するという、2015年当初の取り決めに戻ることである。イランがこの取り決めに合意することを選択すれば、原子爆弾に必要な濃縮ウランを作るためにかかる時間が延びることになる。
イランの交渉責任者であるアリ・バゲリ・カニ氏はテヘランに戻っている。前述の米政府高官は、バゲリ・カニ氏が前向きな気持ちで交渉の行われているウィーンに戻ることを望んでいると述べた。しかし、同氏が戻った後にも、まだ解決しなければならない問題がいくつかあるだろうという。
また、この米高官は、米国民間人4人の解放に関する別個の交渉では、何の合意も得られていないと述べた。この4人はイランによって不当に拘束されていると、米国は考えている。
一方、1人のイラン人活動家が、強硬派の提案したインターネットを厳しく制限する政策を実施するための法案を批判した後、行方不明になったことを、家族が土曜に公表した。
ブロガーで言論の自由活動家のホセイン・ロナギ氏は、「利用者保護法案」として知られるイラン国内でのインターネットアクセスを制限する法案を議会で批判した後、水曜に失踪した。この法案は、ソーシャルメディアで多くのイラン人から批判を浴びていた。
ロナギ氏の居場所や状況に関する情報はない。
すべての国事について最終決定権を持つイランのアヤトラ・アリー・ハメネイ最高指導者は、昨年3月、イランのソーシャルメディアは 「野放図 」で、「敵の手に渡す」べきではないと述べている。
ロナギ氏は最近のツイートでこう言っていた:「保護計画は、『仮想空間は制御されなければならない』と発言したイスラム共和国の指導者からの要求に基づいて、システム全体が決定したものだ」
ロナギ氏の弟で、同じく活動家のハッサン・ロナギ氏は、ホセイン・ロナギ氏が誘拐されたとツイートした。ハッサンによれば、失踪するまでの数日間、ホセインに匿名の電話が何度もかかってきたという。
またハッサン・ロナギ氏は、ホセイン氏は病気に苦しんでおり、腎臓を含むいくつかの臓器に影響が出ているため、医療が必要なことを明かした。
「ホセインに何が起こったとしても、それはすべて最高指導部、(革命防衛隊)、そして司法の責任である」
二人の兄弟の父親であるレザ・ロナギ氏は水曜、イランの外国基地メディアのインタビューに応じ、ハメネイ氏は息子の命に対して直接的な責任があると述べた。
ホセイン・ロナギ氏の失踪に関する最初の報道があった翌日、治安部隊が同氏の自宅にやって来て、ノートパソコンとノートを持ち去ったと、人権活動家らは主張している。
提案されているインターネット法の具体的な内容は、まだ確定していない。しかし、このまま実施されれば、国際的なインターネットサービスや、まだブロックされていないInstagramなどのウェブサイトの混乱につながる可能性がある。
強硬派の圧力により、イラン政府は長い間、YouTubeやFacebook、Twitter、Telegramなど、多くのウェブサイトやソーシャルメディアプラットフォームへのアクセスをブロックしてきた。
多くのイラン人、特に若者は、VPNやプロキシを通じてソーシャルメディアにアクセスしている。InstagramとWhatsAppはまだブロックされていない。
ロイター/AP