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ロシアの要求でイラン核協議に暗雲

ロシア・モスクワで会談前のセルゲイ・ラブロフ・ロシア外相(右)とキルギスのルスラン・カザクバエフ外相=2022年3月5日(土)(写真/AP通信)
ロシア・モスクワで会談前のセルゲイ・ラブロフ・ロシア外相(右)とキルギスのルスラン・カザクバエフ外相=2022年3月5日(土)(写真/AP通信)
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07 Mar 2022 12:03:45 GMT9
07 Mar 2022 12:03:45 GMT9
  • ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相、ウクライナをめぐる西側諸国の対ロ制裁が核合意の障害になっていると発言
  • アントニー・ブリンケン米国務長官、「これらのことは全く別のことであり、どのような形の関連性もない」

ウィーン:2015年の核合意再建に向けたイランと世界の大国との協議は6日、ウクライナ紛争をめぐる対ロ制裁がイラン政府との貿易に影響を与えないという保証をロシアが米国に要求したため、不透明な状態に陥った。

ロシア政府は5日、セルゲイ・ラブロフ外相がウクライナをめぐる西側諸国の対ロ制裁が核合意の障害になっていると発言するなど、ウィーンでイラン政府と米国政府によって数か月にわたり実施されている間接協議が合意に向かっているように見えた矢先に、協議を台無しにする可能性を見せた。

アントニー・ブリンケン米国務長官は6日、ウクライナ問題をめぐる対ロ制裁はイラン核合意再建の可能性とは関係がないと述べ、合意の障害となる話を払拭しようとした。

ブリンケン氏はCBSの報道番組「フェイス・ザ・ネイション」のインタビューで、「これらのことは全く別のことであり、どのような形の関連性もない。だから関係ないと考えている」と語った。ブリンケン氏はまた、イランとの合意の可能性は近いとしながらも、非常に難しい問題がいくつか残っていると慎重な見方を示した。

これに先立ち、イラン政府高官はロイター通信に対し、ロシアとイランの貿易、投資、軍事技術協力が対ロ制裁による妨害を受けないよう米国に文書で保証を求めると述べたラブロフ外相の発言について、イラン政府はロシア政府からの説明を待っている状態だと述べた。

このイラン政府高官は、「ロシア政府が何を望んでいるかを明確に理解することが必要だ。もしロシア政府の要求がJCPOAに関連するものであれば、それに対する解決策を見つけるのは難しくないだろう」と述べ、2015年のイラン核合意として知られる包括的共同行動計画(JCPOA)に言及した。

「しかし、ロシア政府が要求している保証がJCPOAを超えるものであれば、面倒なことになるだろう」
核協議について関係者に説明するためにラブロフ外相の発言前に帰国した英仏独の外交官は、ウィーンに戻る時期を示していない。

コンサルティング会社ユーラシア・グループのイラン・アナリスト、ヘンリー・ローム氏は、ロシア抜きでの核合意の再建は「難しい。しかし、少なくとも短期的に実現可能だろう」と述べた。

ローム氏はロイター通信に対し、「もしロシアが協議を妨害し続けるなら、その他の関係国とイランは、ロシア政府の関与なしに合意を成立させる方法を創造的に考えるしかないだろう」と語った。

イランの交渉担当者は6日、イラン政府と世界の大国間の協議を調整するEUの外交官、エンリケ・モラ氏と会談した。

昨年、イランで強硬派のイブラヒム・ライシ大統領が選出されて以来、イラン政府高官らはロシアとの関係深化を推し進めてきた。

イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は、米国に対する自らの根深い不信感から、ロシアとの関係強化を公的・私的に呼びかけている。

イランと米国、フランス、英国、ドイツ、ロシア、中国による2015年の核合意は、イランのウラン濃縮を制限し、イラン政府が核兵器の材料を開発することを困難にする代わりにイラン政府に対する制裁を緩和するものだった。イラン核合意は、2018年にドナルド・トランプ大統領が米国を合意から離脱させたことで崩壊した。

ウクライナ侵略を受けて米国とその同盟国がロシア政府を国際社会から締め出そうとする中、イラン産原油の供給再開は失われたロシア産原油の穴埋めをし、すでに高いインフレに悩まされている西側諸国への影響を和らげる効果があるだろう。

米国の交渉担当者ロバート・マレー氏は、イラン系米国人のバケル・ナマジ氏、シアマク・ナマジ氏父子を含む4人の米国国民をイラン政府が解放しない限り、核合意の締結はあり得ないと示唆している。

テヘランのあるイラン政府高官は、イラン政府の要求が満たされれば核合意再建の成否にかかわらず、囚人問題は解決できると述べた。

二重国籍を認めないイランは、イランが外交的な影響力を得るために人を捕虜にしているという米国の非難を否定している。近年、精鋭部隊の革命防衛隊は数十人の二重国籍者や外国人を逮捕しており、そのほとんどがスパイや安全保障関連の容疑となっている。

イラン政府は、イランと米国の二重国籍者7人、米国に永住権を持つイラン人2人、米国に法的身分のないイラン人4人など、米国にいるイラン人十数人の釈放を求めている。

ロイター通信

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