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社会的地位の向上を目指すパレスチナ人女性たち

東エルサレム出身のパレスチナ人フェミニスト活動家、ルーラ・サラメ氏。3月6日、自身の事務所でアラブニュースの取材に応えた。(写真:ムハンマド・ナジーブ、アラブニュース)
東エルサレム出身のパレスチナ人フェミニスト活動家、ルーラ・サラメ氏。3月6日、自身の事務所でアラブニュースの取材に応えた。(写真:ムハンマド・ナジーブ、アラブニュース)
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08 Mar 2022 09:03:17 GMT9
08 Mar 2022 09:03:17 GMT9
  • 統計によると、パレスチナ人の中では、教育を受けた女性の割合が教育を受けた男性の割合を上回っているにもかかわらず、社会での重要な地位は依然として男性によって占められている

ムハンマド・ナジーブ

ラマッラー:ヨルダン川西岸地区に居住する、およびイスラエルで市民として生活するパレスチナ人女性たちは近年、女性の地位向上において具体的で目覚ましい成功を収めている。女性たちは今、大臣、外務副大臣、大都市の知事、大使、判事、会社役員、治安機関の高官などの数多くの要職に就くようになっている。

しかし、これらの成果は、女性の役割、有能さ、地位、男性との平等が社会に完全に受け入れられていることを必ずしも示すものではない。

活動家のルーラ・サラメ氏は、パレスチナ女性の現状に不満を抱いている一人だ。

サラメ氏はアラブニュースに対し、男性と共にイスラエルの占領に反対する闘争に参加しているにもかかわらず、パレスチナ女性の権利は依然として弱く、社会的地位も人口の半分を女性が占めるという事実に見合ったものではない、と指摘した。

「女性が高い地位に就くには2つのパターンしかありません。1つは所属する政党に力とコネがある場合、もう1つは大きな影響力を持つ人間が親戚にいる場合です」と、東エルサレム出身のサラメ氏は語る。「力のある派閥に属さず、影響力を持つ親戚もいない女性は、高い地位に就くことはできないでしょう。」

統計によると、パレスチナ人の中では、教育を受けた女性の割合が教育を受けた男性の割合を上回っているにもかかわらず、社会での重要な地位は依然として男性によって占められている。

サラメ氏は、パレスチナ人コミュニティ内の女性のリーダーたちにも怒りを感じている。彼女たちの多くは、権力の座に就くと、その座を次世代の女性リーダーたちに譲らず居座り続け、その上要職を複数兼任して、他のリーダーの成長の妨げとなっているというのだ。

パレスチナの各女性団体も、いわゆる名誉殺人に対する抑止法を制定する努力をはじめ、ジェンダーに関するあらゆる社会問題の改善に尽力している。しかし、性差別の問題に関して実質的な進展がないことは、パレスチナ立法評議会の混乱にも示されている。

ビルゼイト大学のガッサン・ハティーブ副学長は、パレスチナ女性の状況は他のアラブ諸国よりも悪いと捉えており、女性の地位向上への主力となるアプローチは、経済的自立と労働市場への参加拡大だと語る。そうしたアプローチにより、家族や社会における女性の立場が高まるというのだ。

現在、労働市場に参加しているパレスチナの女性は、全体のわずか19%程度にすぎない。

「経済的に自立していなければ、女性たちが意思決定において役割や地位、重みを持ち、公の場で活躍することは難しいでしょう」とハティーブ氏は語る。「女性の企業役員や大学の学長がいったい何人いるでしょうか。社会が女性を疎外するのは、家父長制に基づく社会構造という文化的な理由によるものです」

「パレスチナ社会で女性の地位を向上させる最善の方法は、教育の充実と、労働市場への参加の拡大なのです」とハティーブ氏は強調した。

活動家のサファ・ハサネ氏はアラブニュースに対し、夫が逮捕されたり殺されたりしたため、家族の中で大きな責任を負わされているパレスチナ人女性たちが数多くいる、と語った。

ハサネ氏はサラメ氏と同じ意見で、法律は女性に対して公正ではなく、社会において地位を向上させ、意見を反映させていくために女性たちは闘わなければならないとしている。

ベツレヘム出身の活動家、アリア・ソブ氏は、パレスチナ人女性が社会の多くの側面に参加はできているが、その立場はまだまだ弱いと考えている。昨年12月にヨルダン川西岸で行われた第一回目の地方選挙で、女性候補者数名が夫から写真を公表することを禁じられたため選挙キャンペーン用ポスターに自分の写真を掲載できず、代わりにバラの写真を使用しなければならなかったケースに、ソブ氏は言及した。

また、結婚式の招待状に、女性の名前をフルネームで表記しない家庭や地域もある。

ソブ氏は、政党が女性の団体を支配していることが、女性を正当に評価し、社会的に進出させるための法整備の障害になっていると指摘している。

一方、イスラエルに住むパレスチナ人女性の状況は、ヨルダン川西岸とはやや異なるものと見られる。ガリラヤ地方の町タムラの活動家サマ・ディアブ氏はアラブニュースに対し、現地の女性団体はイスラエル政府に対して声を上げていると語った。

ディアブ氏は次のように話している。「変化を実現するには、男性よりも女性の方が適しています。私たち女性は数字を扱うよりも、むしろ人間的な問題を乗り越えていくことで、実際に変化をもたらすことができるのです。」

同じくガリラヤ地方の都市アラバのマクボラ・ナーサル氏はアラブニュースに対し、イスラエル国内のアラブ人女性たちは、生きていくことを重視する方針を取ったことで、多くの成果をあげることに成功したと述べた。女性たちが教育を人生における目標達成に不可欠な強みと捉えているため、アラブ人大学生の60%が女性であること、また早婚や一夫多妻の件数を減らすことに女性たちが成功したこと、を女性たちが挙げた成果の例としてナーサル氏は指摘した。

 

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