• 銀行当局が司法判断に不満を抱く一方、司法当局は中央銀行総裁とその兄弟に対する起訴を決定

ナジャ・フーサリ

ベイルート： レバノンの銀行は月曜日、フランサバンク、クレジットバンク、レバノン中央銀行（BDL）、バンク・オブ・ベイルート、ソシエテ・ジェネラル、バンクメッド、アウディ・バンクに対する判決への抗議として2日間のストライキを行うことを宣言した。

銀行側は、預金者による訴訟のいくつかは銀行が2年以上にわたって差し押さえている米ドル資金の回収請求に関するものがあることを指摘し、判決は独裁的であると非難した。

このストライキによって、銀行は司法とぶつかり合うこととなる。銀行側と政治家たちは現在、ナジーブ・ミカティ首相が三権分立の原則に従って命じたヘンリー・クーリー法相と司法当局の責任者の会談の結果を待っているところだ。

月曜日、山岳レバノン県検察官であるガーダ・アウン裁判官が、中央銀行総裁のリアド・サラメ氏の兄弟、ラジャ・サラメ氏の所有する不動産物件の一時的押収を命じたことで、状況はさらに悪化した。ラジャ・サラメ氏は金曜日に、「予備調査によって浪費であることが証明された」国庫に関する活動に関連して拘留されている。

アウン裁判官は、これまではラジャ・サラメ氏を山岳レバノン県のニコラス・マンソール第一捜査官に送致していたが、今回は検察に送致したことを明らかにした。

一方、リアド・サラメ氏は、月曜日、裁判官の前に出頭する予定になっていた法廷に現れなかった。結果として、アウン裁判官はサラメ氏と実業家のアンナ・コザコワ氏、及び複数の企業を「不正蓄財とマネーロンダリング」の容疑で告訴し、マンソール氏に本件を付託した。

リアド・サラメ氏は自らに対する疑惑に対して、ロイターにこう語っている。「私は監査を命じ、公金で私腹を肥やしているのではないことは証明された」

アウン裁判官の予備調査は、活動家グループ「Rouwwad Al-Adalah」の提訴を受けて行われた。「Rouwwad Al-Adalah」は、「正義の開拓者」を意味する。

銀行のストライキを支援した銀行従業員組合は、「司法が経済危機において銀行に対して客観的な判断をすることを期待している。前回の判決は関連する銀行に影響を与えただけでなく、それを通り越してすべての銀行セクターに影響を及ぼした」として、「その結果は海外の銀行セクターにとって悲惨なものになるだろう」と指摘した。

政治的、法律的な議論は、手続きの合法性と違法性、銀行をターゲットとすることの経済的影響などについての論争を引き起こした。預金者に有利になる司法当局の判決に抗議しての無期限ストなど、銀行の行動がエスカレートする恐れもある。

レバノン銀行協会（Association Des Banques du Liban）は、「政治当局は、銀行に対する法令違反を止めるために必要な措置をとり、一部の政党、特に司法当局による、法を侵害し、司法の混乱を招くような専制的で野蛮な行為を続けるなどのひどい違反行為を止めさせるべきだ」と、要求した。

民間銀行は、預金危機は政府が返済できないまま融資を受け続けた結果であるとして政治当局とBDLを非難し、銀行は汚職のために返済はされないとわかっていながら国家に融資を続けたと指摘している。

銀行従業員組合連合会は、「銀行の金が焼失し預金者と銀行の間の危機が深刻化することになった原因について」国民に情報を提供するよう求め、「歴代政府は国が経済危機に陥るまで借金政策を続け、何の管理もなく浪費を続けた」と述べた。

また、「裁判官の仕事を監視する最高司法評議会と司法検査局の役割と、特に銀行セクターに関して一部の裁判官が司法業務の原則をどの程度順守しているか」についても疑問を呈した。

月曜日、銀行のストライキを受けてレバノン・ポンドに対する米ドルの為替レートはさらに上昇し、国民の間では物価が再び上昇するのではという恐れが高まっている。公共・民間部門の労働者や年金受給者は、銀行から給与や年金を引き出せないことに対し、怒りをあらわにした。

「預金者の悲痛な叫び」を意味する「Sarkhat Al-Moudiin」や、他の活動家グループは、「今後の数日間で、現在の金融危機を引き起こした犯罪責任と金融責任の所在を確定するための取り組みを拡大する。これは、政治家の責任を追及し、誰もが手にするべきものを得られるようにするための準備だ」と警告した。