
アラブニュース
アンカラ:シリア北西部にある、反政府勢力のイドリブの飛び地に対し、アサド政権軍があらたに激しい攻撃を開始。少なくとも8万人の民間人が避難をしている。
日曜日には、ロシア戦闘機がマアッラト・アン・ヌウマーン市を出た車両群を攻撃した際には、3人の女性と2人の子供を含む8人が死亡している。前日の土曜日にもロシアの空爆が行われ、イドリブ東部のサラケブ市にある市場で、少なくとも8人が死亡している。
イドリブは名目上、元アルカイダの加盟組織タハリール・アル・シャーム機構が率いる過激派同盟が支配している。しかし現在、多くの町や村には人がいないとのだ住民たちは語る。
「ゴーストタウンの状態になっています。ロシア軍が「焦土」爆撃行いうことで、政府軍の侵攻をサポートしているのです」と地元の活動家でムハンマド・ラシードさんは言う。
ヨーロッパの軍事筋によると最近の爆撃は、シリアの指導者バシャール・アサド氏にとっては最後の目標地となる、イドリブ奪還を目指す大規模な地上攻撃の前触れなのだという。
しかし、北へとトルコとの国境に向かう民間機航空機のフライトが、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に新たな難民危機をもたらしている。
アサド政権の攻撃により、2017年にロシアとイランとの間で合意した、大規模戦闘を回避する目的で設置されたシリア北西部にある12のトルコ軍監視所の存在意義について疑問も浮上している。
地元アナリストのハーリド・アブドゥルラフマン氏は、アサド政権軍は監視所を包囲し迂回できるので、今では無意味なものになっていますと語る。
エルドアン大統領の戦略は当初からリスクが高いものだった、とキングス・カレッジ・ロンドン大学の主任研究員であるビル・パーク氏はコメントしている。
「トルコ軍は主権国家の領土に侵入し、反シリア政権グループを支援しました。シリアとしては、そこまで自身の勢力範囲を伸張したいと考えるのは当然のことでしょう」とアラブのニュースに語った。
「トルコにとって代理戦争をした勢力は、国内の状況を安定化には全くと言っていいほど貢献しなかったうえに、トルコ自体は彼らを効果的にコントロールする力も意思も持ち合わせていません。イドリブに駐在するトルコの代理勢力に対し、ロシアとシリアはここのところ不満を露わにしています。アフリーンにいるロシア軍とシリア北東部の政権軍と、トルコ軍が衝突する可能性もあります」
シリアの弱体化ではなく、安定化をトルコは目指すべきだとパーク氏は述べている。