ベイルート:シリア北部の都市アフリンで10日未明、シリアのクルド人戦闘員による襲撃事件が発生し、トルコが支援するシリア反政府組織のメンバーが少なくとも5人殺害された。
また、トルコ国防省が確認したところによると、非合法組織であるクルド労働者党(PKK)のメンバーが9日にイラク北部を襲撃し、トルコ軍の兵士2人が死亡した。兵士の1人は、負傷により病院で命を落とした。
この数か月間、シリアとイラクにおいて、トルコおよび同国が支援するグループと、クルド人戦闘員との間で暴力的行為がエスカレートしている。
トルコ政府によれば、シリアの主たるクルド人民兵組織は、非合法のクルド人組織と連携している。PKKは1984年からトルコに対する反政府活動を指揮し、数万人を殺害してきた。
シリアに監視網を持つイギリスの監視組織であるシリア人権監視団は、10日の襲撃が クルド系勢力のアフリン解放軍によるものだと発表した。この組織は、クルド人民防衛部隊(YPG)として知られるシリアの主要クルド人民兵組織と同盟関係にある。トルコが支援するシリアの武装勢力に対して行われた数々の攻撃について、同組織は犯行声明を出している。
また、シリアの反体制活動家であるタヘル・アル・オマル氏の話によると、襲撃された場所はアフリンの南方約20キロで、殺害された5人はトルコが支援するファイラク・アルシャム派閥のメンバーだった。
アフリンは、トルコが支援する軍事作戦によって、同市内からシリアのクルド人戦闘員と数千人のクルド人住民が排除され、2018年からはトルコとその同盟関係にあるシリアの反政府勢力が支配下に置いている。それ以降、同市および周辺の村では、トルコと同国が支援する勢力を標的とした攻撃が次々と行われている。
AP