
ハゼム・バロウシャ
ガザ地区:27日、重要な外相会合の数時間前に、ハデラ市でイスラエルの警官2人がダーイシュの武装集団に殺害されたことを受け、28日、安全保障への懸念が高まった。
銃撃に関わった襲撃犯2人は現場で射殺された。
この事件は、先週ベエルシェバでイスラエル人4人が死亡した刺殺事件に続くものとなった。ダーイシュは、パレスチナの緊張緩和に取り組む治安当局を揺るがしたこの2つのテロ事件の犯行声明を出している。
28日には、エジプト、UAE、バーレーン、モロッコ、イスラエル、米国の外相がイスラエルで会談を行い、パレスチナ問題やその他の地域問題について議論した。同日、ヨルダンのアブドウッラー国王がヨルダン川西岸地区の都市のラマッラーを訪問した。
政治指導者らは最近、ラマダン月に備えて、ヨルダン川西岸地区とガザ地区の治安対策の強化を議論した。
イスラエル政府はまた、ガザからイスラエルへの入国を認めるパレスチナ人労働者の数を1万人から2万人に増やし、一方で特定の商品に対する輸入制限を緩和することで合意した。
イスラエル陸軍のラジオは、イスラエル政府の駐パレスチナ自治区調整官であるガッサーン・アリヤン氏が最近カイロを訪問し、エジプト政府高官と安全保障に関する協議を行ったと述べ、また、報じられているところによると、イスラエルは、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人のエルサレム訪問を認めるコロナのパンデミック前の計画を押し進めることになったという。
昨年エルサレムと同市東部のシェイク・ジャラー地区で起きた事件は暴力につながり、ガザとイスラエルの4度目の紛争の一因となったが、この安全保障協議は今年再び緊張が高まることを回避することを目的としている。
イスラエル問題に詳しいライターのモスタファ・イブラヒム氏は、アラブニュースに対し、イスラエルは現在、パレスチナ人との対立を避けたいと考えていると述べた。「ロシアとウクライナの戦争を踏まえ、アメリカの圧力を背景に、中東情勢を平穏にしたいというイスラエルの思惑があることは明らかだ」と、同氏は述べた。
ヘブライ語の新聞、イェディオト・アハロノトは、イスラエルの安全保障システムはラマダン月に向けた準備段階で多くの課題に直面していると述べ、パレスチナ自治区での暴力がエスカレートする現実的な恐れがイスラエルにはあると付け加えた。
ラマダンは、3月30日の土地の日の復活や、4月17日のパレスチナ人囚人の日、帰還大行進の記念日、そして5月の昨年のガザ紛争の1周年、5月15日のナクバの日と重なる。どのイベントも、対立の火種となる可能性がある。
同紙は、ハマスがガザ地区では治安と平穏を保ちつつ、ヨルダン川西岸とエルサレムではこれを不安定化させようとしていると主張した。
「ハマスは、緊張の激化が戦術的なレベルでイスラエルの安全保障問題を引き起こすと認識している。戦略的なレベルでは、パレスチナ自治政府の正当性を脅かし、蝕んでいる」と、同紙は報じた。
しかし、緊張が根底にあるにも関わらず、同紙は、ガザやシェイク・ジャラー、アル・アクサモスクで新たな火種が再び発生するとは予測していない。
イブラヒム氏は、最近の国際訪問と対話が、平穏を保つことに貢献するだろうと述べた。
「最近のイスラエルの設備(限界があるとはいえ)や、様々な国際的圧力、ウクライナ戦争を受けてアラブ諸国が世界的危機に集中したいと考えていること、イランとの交渉などは、パレスチナ地域が平穏を保つのを後押しすることに貢献している」と、同氏は付け加えた。