
ナジャ・ホウサリ
ベイルート: レバノンのナジーブ・ミカティ首相は、生後18カ月の女児とその母親を含む約10人が死亡した悲惨なボート事故について、透明性のある調査を迅速に行うよう求めた。
船は土曜日の夜、トリポリ沖で沈没した。
ミカティ首相は、メディアの影響を受けることなく、調査が迅速に透明性をもって行われるべきであり、船が沈没する前に起こったことの詳細を含めるべきだと述べた。
レバノン陸軍司令官ジョセフ・アウン将軍、レバノン陸軍情報局長トニー・カワギ准将、海軍司令官ハイタム・ダナウィ大佐は、火曜日の緊急閣議に出席し、ボートに何が起こったかについて詳しく説明した。
軍によると、ボートはレバノン沿岸を違法に出航し、衝突が起こったときには、船長は拿捕を逃れようとしていたという。また、約60人が不法に乗船しており、イタリアに向かっていたとし、軍は船の転覆とは無関係だと強調した。
数人の生存者は、レバノン軍の船がボートに衝突し、そのためにボートが沈没したと話している。彼らの話では、乗船していた警備担当官が、命令に応じて岸に戻らなければ溺れさせると脅したという。逃げようとした人々の大半は、女性や子どもを含め、泳ぎ方を知らなかったということだ。
レバノンのミシェル・アウン大統領は閣議の冒頭で、「トリポリで起きたことは我々全員を傷つけた」と述べ、裁判所は情報が錯綜している中で、事件を調査して、真実を明らかにし、矛盾する解釈や説明に終止符を打たなければならないと付け加えた。
トリポリ港の責任者アーメド・テイマー氏は、行方不明の乗客の捜索は継続中で、ギリシャのフリゲート艦が作戦に参加していると述べた。
トリポリの政治アナリスト、ハルドゥーン・アル・シャリフ博士はアラブニュースに、「話が食い違っているため、ミカティ首相は、船が出発する前に何が起こったのか調査するよう主張している。軍は、ボートが海に出る前に発見したが、追いつくことができず、海上に出たところで迎撃したと言っている。欠落している情報があり、説明に一貫性がない。調査はすぐに開始されるべきだったが、今行われていることはすべて時間の無駄だ」と語った。
ベイルートでは、賛否が分かれている資本規制法案に反対する人々が抗議を続けている。資本規制法の採択は、危機的状況にあるこの国を支援するために国際通貨基金が要求した改革の一つである。
預金者たちは火曜日、国会合同委員会が法案についての議論を継続できないようにするため、国会に通じる道路を封鎖し、国会議員が会議を開催するための定足数を満たすのを阻止することに成功した。
行政・司法委員会のジョージ・アドワン委員長は、資本規制に関する議論を5月15日の国会議員選挙後まで再度延期するよう求めた。また彼は、損失と責任に応じたその配分、損失の処理方法について説明する完全かつ包括的な復興計画の必要性を強調した。
彼は「歴代政府と腐敗した政治家たちは、国家政策の共謀者であるレバノン中央銀行とともに非難を受けるべきだ」とも述べた。「では、なぜ市民や預金者に責任を負わせなければならないのか?どんな復興計画でも、IMFがレバノンに対し3年間で30億ドルを供与するために要求したことの背後に隠れるのではなく、経済、金融、通貨の状況がどのように改善され、抜け道を埋めた後にどのように成長を生み出し、銀行システムを維持していくのかを人々に説明する必要がある」と述べた。