
パリ:AFPが木曜日にインタビューを行ったフランスの専門家の結論では、2016年に地中海で発生し66人が亡くなったエジプト航空墜落事故は、コックピット内の酸素マスクからの漏れに起因する火災が原因だった可能性が高いという。
パイロットは火災現場から逃れ、消火器を見つけることができなかったようで、それが数分後の悲劇的な墜落へとつながった。
「副操縦士の緊急用酸素マスクから漏れた酸素が、火災を引き起こした決定的な要素と見られる」と、5人の専門家は134ページにわたる報告書に記している。この報告書は3月にパリ高等裁判所に提出され、イタリアの新聞『コリエーレ・デラ・セラ』が水曜日に公表した。
エジプト航空MS804便は2016年5月19日、パリからカイロに向かう途中、レーダースクリーンから突然姿を消した。乗員乗客全員が死亡した。
エジプトの航空相は当初、墜落の原因は整備不足ではなく、テロ攻撃である可能性が高いと述べていた。
しかしフランスの航空安全機関によると、同機は連絡が途絶える数分前に、客室内の煙と飛行制御装置の不具合を示す自動メッセージを送信していたという。
最新の報告書では、漏れた酸素に引火したものが何かは断定されていない。
昨年6月に発表された専門家による報告書では、火災の原因として、「パイロットが仮眠をとる際に頼んだ静電気を帯びた毛布」、「パイロットに出された食事に含まれる脂肪分、そして最後に高い可能性として、灰皿にあった火のついたタバコや燃えカス」という3つの可能性を挙げていた。
この報告書は、パイロットがコックピットで定期的に喫煙していたことを明らかにしており、また、音楽を聴く、コックピットを繰り返し出入りする、「フライトの状況に注意を払わない」など、「プロらしくない行動」のパターンを指摘していた。
また、2018年6月の専門家の報告では、墜落の3日前に、副操縦士の酸素マスクが入った箱がなぜか交換されていたことが取り上げられていた。
「この機器の交換には非常に慎重な検証が必要だ…、酸素の漏れは特に危険である」と専門家は述べていた。
MS804便の犠牲者の遺族団体代表者2人はAFPに対し、「メンテナンスの不備、そして不注意や重大な不正行為が相次いでいた」と述べ、エジプト航空に刑事責任を問うよう求めている。
AFP