
ワシントン: ロシアのミサイル巡洋艦「モスクワ」の位置について、沈没させることになった攻撃の前に米国からウクライナに機密情報の提供があったと米政府関係者が明らかにした。ロシア軍にとって目立つ失敗となった。
米政府関係者によると、5日にウクライナは単独で自国の対戦艦ミサイルを用いてロシアの黒海艦隊旗艦を沈没させようと狙いを定めていたが、海上からロシアによるウクライナ沿岸への攻撃を受け、米国からそれら艦隊の位置情報を含む「広範囲の機密情報」が提供されたとのこと。米政府関係者は人前での発言は認められておらず、匿名を条件に語った。
バイデン政権はウクライナがロシアによる侵攻を跳ね返せるよう、武器やミサイルの輸送に加えて機密情報の提供を増やしてきた。「モスクワ」の攻撃に米国の支援があったと公表することで、米国政府は共和党からウクライナの反撃にさらなる支援をするよう圧力を受けることになり、世論調査によるとジョー・バイデン大統領がロシアに対して十分に厳しい対応をしているのかどうか米国民は疑問を持っていることが示されている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2月に侵攻を指示してから、米政府は民主主義陣営の同盟国ウクライナの支援と、プーチンと米国およびNATO加盟国との間での直接戦争を引き起こしかねない行動とを比較してきた。戦争が続くにつれて米政府は軍事・機密情報支援を強化し、ロシアの潜在的標的についてウクライナに何を伝えるかに関して時間的・地理的制限をいくつか撤廃した。
5日に発言した政府関係者によると、ウクライナが「モスクワ」の攻撃を計画していたことについて作戦が遂行されるまで米国政府は把握していなかったとのこと。旗艦の沈没における米国の役割についてはNBCニュースが初めて報道した。
ウクライナによるロシア人の将軍の殺害に関して、米国が果たした支援の役割についてニューヨークタイムズ紙が報道した後の5日早く、米国防総省のカービー報道官は、米国機関は「戦地にいる将軍の場所についての機密情報は提供していないし、ウクライナ軍による標的決定にも関与していない。
ウクライナは米国やその他のパートナー国家からもたらされた機密情報を、自ら統合することで独自に決定をし、独自に行動をしている」と発言した。
AP