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イスラエルの占領は「諸悪の根源」とヨルダン外相

ヨルダンのアイマン・サファディ外相。(ファイル/AFP通信)
ヨルダンのアイマン・サファディ外相。(ファイル/AFP通信)
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08 Jan 2024 04:01:33 GMT9
08 Jan 2024 04:01:33 GMT9
  • 「安保理が、ガザに対する野蛮な侵略を止めさせるとの決定ができないことを正当化できる理由は何もない」とサファディ外相

アラブニュース

アンマン:ヨルダン外相は7日、イスラエルがガザで続けている軍事行動を「野蛮な侵略」と強く批判し、同地域における危険なエスカレーションの可能性に警鐘を鳴らした。

ヨルダン通信の取材に応じたアイマン・サファディ外相は、イスラエルは罪のない人々を殺害し、230万人以上のパレスチナ人から水や食料、医薬品を奪い、彼らを強制移住させようとしていると述べた。

「ヨルダンは、パレスチナ人を国内外に強制移住させようとするイスラエル政府の試みに対抗するために、できるすべてのことをします」とサファディ外相は述べ、ヨルダンは強制移住の試みを戦争犯罪とみなしていると付け加えた。

サファディ外相は、今後ガザに対して安全保障に基づくアプローチを取れば、イスラエルが現在の戦争の前と戦争中の占領地政策によって作り上げた、抑圧、絶望、悲惨な状態を定着させ、紛争が「地域の運命」となってしまうだろうという。

「占領は諸悪の根源です。占領を終わらせ、パレスチナ人の権利すべてを実現することを目的としないどんなアプローチも、安全保障と公正な平和の達成にはつながらず、さらなる紛争や戦争を引き起こすでしょう」と、同氏は付け加えた。

戦争終結前に、またパレスチナ人の権利実現のための包括的計画を採用することなしに、ガザの未来について話し合うことをヨルダンは拒否する、とサファディ外相は述べた。

「今、あらゆる努力を結集して目指すべき主な目標は、ガザ地区に対する野蛮な侵略を止めさせ、前代未聞の人道的大惨事を終わらせることです」と同氏は付け加えた。

「ヨルダンの提案は、侵略が終了した後、ガザの状況への対処はガザ、ヨルダン川西岸地区、東エルサレムが強固に結束して実施する統合計画であるべきで、二国家解決に示されるとおり、1967年6月4日ラインに沿ってエルサレムを首都とする、パレスチナ人の独立した主権国家の承認から開始するべきというものです」

サファディ外相は、パレスチナ領土の占領終了には、明確な目標、スケジュール、そして「真の保証」が伴うべきだと述べ、こう付け加えた。「アラブ諸国の兄弟たちと調整中です。国際社会の多くのパートナーたちとも話し合いました」

同氏はまた、「パレスチナ人を悪魔とみなし、彼らの国土、彼らの父や祖父の土地に住む権利を否定する」、イスラエルの閣僚たちの「過激主義的、人種差別的、扇動的」な政策や立場を非難した。

同氏は、政治的主導権を保持し、西側諸国を同地域への軍事介入に引きずり込もうとして、戦争を継続し、それを占領下のヨルダン川西岸地区およびレバノンに拡大しようとする、イスラエル政府の過激主義的な意図に警鐘を鳴らした。

サファディ外相は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と「人種差別主義者で過激主義者」の閣僚たちが、パレスチナ人をガザから追い出したいと公言しており、パレスチナ人の自決権を否定していると述べた。

サファディ外相は、過激主義的なイスラエルのレトリックを非難する、明確かつ直接的な立場を国際社会が示す必要性を議論した。

同氏は、ヨルダンは国連安全保障理事会に対し、ガザの戦争を終結させ、イスラエルの国際法違反に対抗するために、法的、倫理的、人道的な決定を下すよう圧力をかけると述べた。

「安保理が、ガザに対する野蛮な侵略や、イスラエルがそこで犯している戦争犯罪を止めさせるとの決定ができないことを正当化できる理由は何もありませんし、法的、民族的、人道的にあらゆる境界を踏み越えてしまっている侵略によって悪化した、この人道的大惨事に対処するための人道支援を提供するシステムを発動することさえできないことを正当化できるものは何もないのです」と同氏は付け加えた。

サファディ外相は、国連安保理が戦争を終結させられないことは、「多国間行動システムに存在する危険なダブルスタンダードと選択性を反映しており、同地域の多くの国々のイメージや利益に深刻な影響をおよぼし始めた」と述べた。

同氏は、「侵略によって生じている殺戮、破壊、人的被害は、イスラエル政府が主張する自衛という目的は口実に過ぎないことを示しており、この戦争は粗野な復讐で、二国家解決を反故にしようとする、イスラエル政府の過激主義的で人種差別主義的な目的を実現する手段であることを明らかにしました」と付け加えた。

ヨルダンは、ジェノサイド(集団殺戮)容疑でイスラエルを提訴した南アフリカを支持しており、また自らも国際司法裁判所への提訴を準備中で、近日中に審査が行われる見込みだ。

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