


サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:イエメンにおける正統性回復のための連合軍は金曜に、国内の紛争終結に向けた道を開く取り組みの一環として、163名のフーシ派戦争捕虜を釈放し、アデンおよびサヌアへの帰還を支援した。
合計108名がイエメンの暫定首都アデンに移送され、9名がフーシ派の支配下にあるサヌアに移送された。フーシ派と共に戦っていた際に捕らえられた9名の外国人戦闘員はそれぞれ自国の大使館に引き渡された。また、連合軍は37名の負傷した戦闘員を陸路でイエメンの故郷に移送した。
連合軍は金曜朝に、数十人のフーシ派捕虜を乗せた最初のフライトのサウジアラビアからイエメンに向けての出発を発表した。これは捕虜をサヌアおよびアデンに移送する3段階のプロセスの一部である。
赤十字国際委員会は、拘留者100名以上の飛行機3機によるサウジアラビアからイエメンへの移送を支援している。
イエメンの赤十字国際委員会派遣団の広報担当バシーア・オマル(Basheer Omar)氏はアラブニュースに対し、釈放された捕虜の行き先は、出身地、現在の居住地、個々の希望、安全上の問題を考慮し、故郷に安全に到着できるように決定されたと述べ、約80名の拘留者が金曜午後までにアデンに到着したとも述べた。
戦争捕虜を担当するイエメン政府関係者によると、フーシ派がサヌアでの引き渡しを拒否したため、アデンに到着した捕虜たちはバスや車で地元の村や都市に送られる予定だという。
イエメンの人権担当副大臣で、フーシ派武装組織との捕虜交換取引に携わる政府代表団の一員であるマジェド・ファドハイル氏は、人道的取り組みについてサウジアラビアに感謝を表明し、フーシ派は連合軍に捕らえられている軍事指導者の解放を望んでいると述べた。
ファドハイル氏は「フーシ派は大物やハーシム家戦闘員の釈放を求めていた」と述べ、フーシ派に対し連合軍の動きに報いて収監しているイエメン人数千人を解放するよう要請した。「この取り組みによって捕虜交換取引の完了が早まることを願っている」と同氏は加えて述べた。
フーシ派と国際的に認められた政府の間で新たに大規模な捕虜交換を実現するための直近の取り組みは、フーシ派武装組織が政府に拘束されている同派戦闘員とサヌアの路上で拉致した民間人との交換を提案したことで行き詰まっていた。
2020年10月にイエメンの敵対し合う勢力は、国連の仲介のもと戦争開始以来初の大規模な捕虜交換によって1,000人以上の拘留者の交換を行った。
連合軍の捕虜に関する取り組みは、フーシ派によるタイズでのドローン攻撃などの数百の違反が報告される中、国連の仲介による現在の2か月間の停戦維持を求めてイエメンの関係者に対する国際的圧力が高まる中で実行されている。
駐イエメン英国大使のリチャード・オッペンハイム氏は、国連の仲介による停戦はイエメンの人道危機悪化を抑制するのに役立っており、和平実現への道を開いているとして、イエメンの関係者に戦闘終結に向けて責任を果たすよう求めた。
「タイズとその周辺の数十万人に人道的大惨事をもたらしてきた長年の包囲のような状態の解消や、サヌア空港の再開といった停戦の約束を守ることを全関係者に求める国際的な呼びかけに、我々も賛同する」と同氏はツイートした。
在イエメンフランス大使館はサヌア空港再開の遅延とフーシ派のタイズ包囲に対する懸念を表明し、各派に対し、停戦を支持することで全国のイエメン国民の苦境を軽減するため誠実に取り組むよう求めた。
「7年以上におよぶ紛争を経た今、タイズでも国中のどこでも、イエメンの人々の苦難を軽減するためにあらゆる方策を講じるべきだ。そのためには、全関係者が全てのイエメン人の利益のために停戦を維持する必要がある」と大使館はツイッターで述べた。
イエメン政府によると、フーシ派はイード休暇中の4月30日から5月4日にかけて、タイズ・マアリブ、ジャウフ、ダーリウ、サアダ、アビヤン、フダイダの政府が管理する都市や軍拠点への攻撃およびミサイル発射によって341件の停戦違反を犯した。
水曜には、フーシ派の爆発物搭載ドローンが南部の都市タイズにある政府軍の保安センターを襲い、少なくとも10人の民間人が負傷した。