
サイード・アル・バタティ
ムカッラー: イランから支援を受けるフーシ派は、およそ8年に及ぶイエメンの都市タイズの包囲攻撃と数千人の住民の苦しみを真剣に終わらせようとはしていないと、政府関係者はアラブニュースに語った。
ムハンマド・アブドゥラ・アル・マムディ陸軍少佐によると、タイズとその他の県の道路を開通するための合同委員会に参加する代表者が、民兵のテロリストグループからはまだ推薦されていないとのこと。
タイズで予定されている会議におけるイエメン政府派遣団の代理人代表アル・マムディ氏は8日、フーシ派は国連イエメン大使に対して代表者名も伝えていないしドローンや砲弾によるタイズへの攻撃も停止していないと発表した。
「フーシ派は委員会に代表者名を伝えるという公約を果たさなかったし、今後もドローンを飛ばせて市民を銃撃するだろう」とマムディ氏は言う。
ひと月前に国連が仲介し提案された停戦協定では、全ての前線での停戦、タイズを含む市内道路の開通、便数を限定したサヌア国際空港の再開、ホディダ港への燃料船の入港許可が要求された。
国連イエメン大使はイエメン政府とフーシ派に対し4月4日、フーシ派によるタイズ包囲攻撃停止と他県の道路開通について協議する会議に出席する、軍当局者1名を含む3名を指名するよう伝えた。
マムディ氏によると、会議はヨルダンの首都アンマンで開かれるはずだったが、フーシ派が代表者の指名を拒否したため中止となった。
「われわれは市内への道路の開通と地雷の位置を示す地図の提供を要求した」とイエメンの政府関係者は発表した。停戦協定の実施について進捗を国連大使のスケジュール表を元にすると、大使は4月24日に委員会の政府関係者との間でタイズとその他地域の道路開通について最初の会議を開いたが、フーシ派については言及しなかった。
フーシ派はイエメンで最も人口の多い都市タイズを2015年から包囲攻撃している。軍隊と協力する抵抗勢力の兵士による激しい抵抗を受け、都市の中心部への侵攻に失敗してからのことだ。
フーシ派はタイズへつながる主要な道路を、砂丘や地雷、周辺地域にスナイパーを配置して封鎖した。住民が都市へ出入りしたい時は危険な山道の使用を余儀なくされた。
数千人の市民が包囲攻撃やフーシ派による砲撃・地雷によって殺害されている。イランの支援を受けるテロリストグループであるフーシ派は代表者の指名が遅れていることについて声明を発表していないが、フーシ派はイエメン政府とのいかなる協議においても使える奥の手として、金銭的援助の要求にも使えるものとして、包囲攻撃を利用しているとマムディ氏は信じている。
イエメンの西側沿岸に沿って配置されている政府の統合兵力は7日、フダイダ県の一部とタイズをつなぐ主要な道路について、停戦下で一方的に一時的に開通させてから数日が経とうとしているにもかかわらず、いまだに開通させていないと発表した。
統合兵力の軍司令官サディク・ダウィード准将によると、軍隊は複数の橋を修理してフダイダ県のアル・ジャラヒ・ハイズ道路を整備し、初めて市民に使用させたとのことだが、その道路のフーシ派側は引き続き封鎖されているとのこと。
一方、イエメン中央のアル・バイダ県にあるダムで7日、ある家族の5人の子供たちが溺死したと地元の役人がアラブ・ニュースに伝えた。アル・バイダ県アル・アレシュのカレン・アル・アサドダムでのピクニックは子供たちの溺死によって悲劇と化した。役人によると4人はダムで死亡が確認され、もう一人は地元の病院で死亡が確認されたとのこと。現地の人がその他に2人を救出した。匿名を希望する役人は、怯えた母親たちが子供たちを助けようと必死になって上げている声を説明しながら「痛ましい状況で前例のない悲劇だ」と述べた。