
ベイルート:教皇フランシスコは、健康上の懸念から、当初6月に予定されていたレバノン訪問を延期したと、同国のワリード・ナサール観光大臣が月曜日に発表した。
ナサール大臣は延期の背景にある「健康上の理由」について詳しく述べなかったが、教皇は膝の痛みに苦しんでおり、木曜日の公開行事では、初めて車椅子を使用する様子が目撃された。
「レバノンは、バチカンから教皇の訪問予定延期の決定を正式に伝える書簡を受け取った」と、ナサール大臣は国営通信社が発表した声明の中で述べた。
教皇の「外国訪問と予定された行事は…健康上の理由で延期された」と、教皇訪問の準備を担当する委員会を率いるナサール大臣は伝えた。
バチカンが訪問を確約したことはなかったが、4月にレバノンの大統領は、85歳となった教皇が6月に同国を訪問すると発表していた。
教皇は右膝の痛みに何か月も苦しんでおり、数々の行事出席および複数の宗教的祝典の主宰をキャンセルすることを余儀なくされている。
バチカンは何が問題であるかを公式に発表していないが、情報筋からAFPに対し、教皇が慢性関節炎を患っていることが伝えられている。
教皇自身も膝の靭帯の不調について言及している。
教皇は、先週発行されたイタリアの日刊紙コッリエーレ・デッラ・セーラのインタビューで、「悪化に伴う治療介入」を受ける予定であると語った。
また4月には、教皇はアルゼンチンの新聞で、痛みの治療のために膝を氷で覆い、鎮痛剤を服用していると話していた。
レバノンの5月15日の議会選挙後に予定された教皇の訪問は、1975年から1990年の内戦が終わって以降、教皇による同国への3回目の訪問となるはずであった。
教皇ベネディクト16世は、隣接するシリアで内戦が始まってから数か月後に、平和を訴える目的で2012年に訪問し、教皇ヨハネパウロ2世は1997年にレバノンを訪れた。
中東最大級のキリスト教コミュニティーに挙げられるレバノンは、2019年から前例のない景気後退に見舞われており、人口の80%以上が貧困に苦しんでいる。
数か月前に、バチカンでレバノンの大統領と首相に接見した教皇は、以前にレバノン訪問を約束しており、同国の悪化する危機について繰り返し懸念を表明していた。
AFP