• 現在、何十万人もの女性や少女がスポーツに参加していると、サウジアラビアテニス連盟の会長は述べた
• アリジ・ムタバガニ氏は、批判者に「変化の段階」にあるサウジアラビアを訪れ、その進歩を自らの目で確かめるよう呼びかけた

アラブニュース

ドバイ：サウジアラビアテニス連盟のアリジ・ムタバガニ会長は、テニスはサウジアラビアで急速に人気スポーツになりつつあり、女性や少女を含む何千人もの若者がクラブに登録し、国内各地のトーナメントに参加していると述べた。

アラブニュースの時事番組「フランクリー・スピーキング」に出演したムタバガニ氏は、このスポーツが大きな可能性を秘めていることは数字を見れば一目瞭然であり、サウジアラビアがメジャートーナメントに参加する可能性があるだけでなく、主催する可能性さえあると語った。

「サウジアラビアは、特にスポーツの世界と女性の参加に関して、大きな変貌を遂げています」とムタバガニ氏は述べた。

「数字がそれを物語っています。女性のスポーツ参加が増えています。現在、33万人の女性がスポーツに登録し、約1万4千人の女性がテニスに参加しています」

この成功の多くは、スポーツへの投資と公衆衛生と福利厚生の促進を最優先事項とした「ビジョン2030」改革アジェンダの下で導入された政府のイニシアチブによるものだ。

「私たちは、サウジ・スポーツ・フォー・オール連盟と提携して、教育省と共同で、子どもたちにテニスを新しいスポーツとして紹介する大規模なプログラムを実施しています」とムタバガニ氏は語った。

「2023年にサウジアラビア全土の30校でスタートしました。その後、2023年から2024年にかけて、90校に増やしました。現在は400校に拡大しています」とムタバガニ氏は述べた。この取り組みは性別に関係なく実施されており、男子校と女子校に分かれているという。

「2019年当時、クラブに女性は参加していませんでした。現在、女性が参加しているクラブは7つあります」とムタバガニ氏は付け加え、新設された女子代表チームがすでに20の大会に出場していることに言及した。

「参加者が増えています。2019年にプレーしていた女性は90人でした。今では、700人の女性が登録し、テニスをプレーしています」

サウジ・スポーツ・フォー・オール連盟は、サウジアラビアの社会・経済発展のための長期開発計画「ビジョン2030」に沿って、コミュニティスポーツの発展と王国全体の健康的なライフスタイルの促進に責任を負っている。

「クラブでテニスが導入されています」と、ムタバガニ氏は「フランクリー・スピーキング」の司会者であるケイティ―・ジェンセン氏に語った。「2019年は、トーナメントに参加するクラブはゼロでした。現在、女性が参加しているクラブは7つあります。女子テニスの大会の数を増やしました。以前は3つでしたが、今では20もあります。大きな進歩が見られています」

こうした成功にもかかわらず、テニス界のレジェンドであるクリス・エバート氏やマルチナ・ナブラチロワ氏は最近、サウジアラビアでは男女平等が欠如しているため、WTA（女子テニス協会）ファイナルズのような大きなイベントの開催を禁止すべきだと述べた。

駐米サウジアラビア大使のリーマ・ビント・バンダル・アル・サウード王女は声明の中で、エバート氏とナブラチロワ氏の「失望を禁じ得ない」主張を否定し、次のように述べた。

「世界中の多くの女性と同様に、私たちはテニス界のレジェンドたちを、先駆者であり、模範であり、女性が本当にすべてを成し遂げられるという希望の光として見てきました」

「しかし、このチャンピオンたちは、自分たちがインスピレーションを与えてきた女性たちに背を向けたのです。失望を禁じ得ません」

エバート氏とナブラチロワ氏のコメントにも屈せず、ムタバガニ氏はテニス界のスターたちにサウジアラビアを訪れ、サウジアラビアのスポーツ界の変革と女性の参加における大きな進歩を目の当たりにするよう呼びかけた。

「テニス、特に女性の参加を変え、変革するこの旅に参加してください。私たちは彼女たちから多くのことを学ぶでしょう。彼女たちに来てもらい、自分の目で確かめてもらいたいです」とムタバガニ氏は述べた。

「彼女たちはテニスと女性の参加、男女平等、平等な賞金獲得のために多くのことをしてきました。誰もが自由に発言し、コメントできることを私は尊重しています」

「しかし、私は彼女たちにサウジアラビアに来てもらい、その進歩を実際に見てもらいたいと心から思っています。私たちは今、変化の局面を迎えています。私たちは変わろうとしているのです」

ムタバガニ氏は、サウジアラビアが近いうちにテニスのメジャー大会、つまりグランドスラムを開催し、サウジアラビア人がテニスを始めるようさらに後押しすることを望んでいる。

「あらゆることが可能です」とムタバガニ氏は述べた。「このような国際的なイベントがこの国で開催されれば、テニスというスポーツにさらなる光が当たるでしょう。テニスの人気も高まるでしょう」

「選手たちは、尊敬するロールモデルを持つことができます。将来チャンピオンになるために、そして自国でこのような大会に出場できるようになるために、一生懸命努力し、トレーニングに励むよう、新しい世代を鼓舞することでしょう」

ムタバガニ氏は次のように付け加えた。「私たちはその実現に向けて懸命に取り組んでいます。WTAやATPと緊密に連携し、できれば近い将来に実現できるよう努力しています」

何も決まってはいないものの、ムタバガニ氏はWTAやATPがグランドスラムの開催地にサウジアラビアを選ぶことを期待している。

「私たちは、ATP、WTA、ITFなど、テニスの公式統括団体と長期的な関係を築こうとしています」とムタバガニ氏は語った。

「私たちは昨年、ジェッダでネクストジェネレーションATPファイナルズを成功させ、ATPとの関係をスタートさせました。今、私たちは WTAとの関係も築こうとしています」

プロテニス界で最も権威のある大会であるグランドスラム大会は、WTAとATPが主催し、国際テニス連盟が監督している。

ムタバガニ氏は、これらのプロイベントがサウジアラビア全土で、特に若者のアマチュアスポーツへの参加を増やすのに役立つだろうと予測している。

「まだ話し合いの最中です」とムタバガニ氏は述べた。「しかし、私たちの目標は、大きなイベントであれ小さなイベントであれ、挑戦であれ未来のことであれ、サウジアラビアのテニスを発展させるために、このような団体と長期的な関係を築くことです。なぜなら、それが地元のテニスプレーヤーのレベルアップにつながるからです」

サウジアラビアは、LIVゴルフシリーズの設立、クリスティアーノ・ロナウドのようなトップサッカー選手との契約、2023年のネクストジェネレーションATPファイナルズの開催などによって、スポーツにおける自国の存在感を高めようとしている。

「サウジアラビアのスポーツの変革において、テニスは非常に重要な役割を担っています」とムタバガニ氏は述べた。「特にテニスのイベント数の増加によって、その変化を目の当たりにしてきました。2022年には、リヤドで初の国際ジュニアトーナメントが開催されました」

サウジアラビアは2019年に同国初のプロトーナメントであるディルイーヤテニスカップを開催した。2019年から2022年にかけてのその成功は、2023年から2027年までリヤドで開催されるネクストジェネレーションATPファイナルズにつながった。

10月に開催される男子テニスの「シックス・キングス・スラム」エキシビションマッチには、国際的なテニススターであるラファエル・ナダルとノバク・ジョコビッチに加え、グランドスラム優勝者3人が出場する。

サウジアラビアではテニスというスポーツは比較的目新しいものであるため、当初はテニスイベントがどれほど人気を集めるか疑問視されていた。しかし、ムタバガニ氏によると、選手たちは試合に足を運ぶ観客の多さに感激しているという。

「彼らは観客にとても満足しています」とムタバガニ氏は述べた。「リヤドでのエキシビションマッチではスタジアムが満員になりました。チケットは完売し、観客は試合に本当に本当に夢中になっていました」

「観客がテニスというゲームを理解していることに私たちは気づきました。これは非常に重要なことです」

国際的なトッププレーヤーは通常、幼い頃からスポーツアカデミーやクラブでプレーし始める。サウジアラビアは、自国の優秀な人材を維持するために、経験豊富なコーチ、トレーナー、専門施設を必要としている。

「私たちの主な目的は、草の根から始めて、すべての国民にテニスを紹介し、そこからテニスを発展させ、高いパフォーマンスに集中することです」とムタバガニ氏は述べた。

19歳のヤラ・アルホグバニは、サウジアラビアの若きテニススターの一人だ。

「彼女はこのスポーツの偉大なアンバサダーであり、男の子女の子を問わず、新しい世代の小さな子どもたちにインスピレーションを与えています」とムタバガニ氏は語った。

アルホグバニは今年のムバダラ・アブダビ・オープンで、WTAランキング6位のチュニジア人選手のオンス・ジャバーや、アジア人選手として初めて世界ランキング1位となった日本の大坂なおみなど、世界のトッププレーヤーとプレーした。

「（アルホグバニは）幼い頃から一生懸命トレーニングしていました」とムタバガニ氏は言う。「彼女には2人の兄弟がおり、彼らも代表選手です」

2023年に中国の杭州で開催されたアジア競技大会では、長兄のアマルとともにプレーし、サウジアラビア初のプロ混合ダブルスチームとして歴史に名を刻んだ。次兄のサウドは、米国のウェイクフォレスト大学でプレーしている。

アルホグバニは、12月にジェッダで開催されたネクストジェネレーションATPファイナルズで、ノバク・ジョコビッチやサウジアラビアテニス連盟のアンバサダーに就任したばかりのラファエル・ナダルといったテニス界のレジェンドたちとも会った。ナダルは、サウジアラビアの若い才能の育成を支援することを約束した。

「それは彼女にとって、高いレベルにいることがどういうことなのかを感じるチャンスになり、よりハードにトレーニングし、より努力し、将来もっと高いレベルに到達するための刺激になりました」とムタバガニ氏は語った。「このようなチャンスは、誰かの未来を好転させることができます。そして、彼らは…次の世代のスターになることができます」

生涯テニスプレーヤーであり続けているムタバガニ氏は、テニスを始めようと考えているサウジアラビアの若者たちへのメッセージを聞かれ、こう答えた。「テニスラケットを手に取り、スポーツに挑戦し、テニスをプレーし、ネクストジェン・チャンピオンになり、コート内外でロールモデルになるよう応援したいです」

「テニスは人生を学ぶ経験であり、スポーツマンである前に偉大な人間であるよう導いてくれます。だからぜひ、コートの内外でサウジアラビアのテニスのアンバサダーになってください」