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イスラエルの治安強化策では暴力は止まず、政治的解決が必要_専門家

2022年5月10日、アラブ系東エルサレム地区のシルワンで、イスラエルの重機がパレスチナ人の家屋1軒を破壊している現場近くでパレスチナ人の若者がイスラエル国境警備隊員と話している。(AFP)
2022年5月10日、アラブ系東エルサレム地区のシルワンで、イスラエルの重機がパレスチナ人の家屋1軒を破壊している現場近くでパレスチナ人の若者がイスラエル国境警備隊員と話している。(AFP)
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11 May 2022 04:05:59 GMT9
11 May 2022 04:05:59 GMT9
  • イスラエル当局は、パレスチナ大惨事(ナクバ)記念日、ヨルダン川西岸地区、エルサレム、ガザ地区、ゴラン高原の占領記念日など、今後数週間は敵対行為が激化すると恐れている。

モハメド・ナジブ

ラマッラー:治安専門家らによると、イスラエルは、パレスチナ人による攻撃を阻止すべくヨルダン川西岸地区と東エルサレムにおける治安維持活動を大幅に強化している。

イスラエルは、逮捕者を増やし、大量の部隊を派遣し、容疑者の自宅を破壊し、ヨルダン川西岸地区一帯や自治区とイスラエルとを隔てる1200キロの分断壁沿いに軍の存在感を強化するなどして、これを実行しているという。

しかし、こうした措置は、イスラエルの占領が終結するとの希望をパレスチナ人に与えるような政治過程がなければ、機能しないだろうと専門家らはアラブニュースに語った。

パレスチナ人による攻撃が続く一方で、非難や反撃の標的とすべき特定のパレスチナ人容疑者がいないため、イスラエルの政界と軍部の間では論争に発展している。こうしたことは、2002年の第2次インティファーダ(パレスチナ蜂起)や「防御の盾」作戦の際にもよく起きていた。

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は、ハマスに扇動したつけを支払わせるべきであると主張し、特に、ハマスの指導者ヤヒヤ・シンワルが演説で最近の攻撃をけしかけたとして非難している。一方で、軍事関係者は、過激派の大半の出身地域であるという理由から、ジェニンとその周辺村落に対する大規模な軍事作戦の開始を提案している。

イスラエルのベニー・ガンツ国防相は、パレスチナ人を次のように恫喝した。「治安が安定しなければ、パレスチナ経済はダメージを受け、我々が進んできた歩みは崩壊し、犯罪人たちの出身地域は震撼することになるだろう」

イスラエル治安当局者らは、パレスチナ人による相次ぐ攻撃は数週間続くと予想している。公安庁「シンベト」は、過激派らは攻撃を実行する前にSNSのメッセージを投稿しないため、この脅威に立ち向かうのは困難であると見ている。

ハマスが「エルサレムの剣」作戦と銘打った昨年のガザ紛争の開戦から1周年となる10日、パレスチナ諸派は、引き続きイスラエルに抵抗する準備ができていることを改めて認めた。

パレスチナ人組織「イスラム聖戦」は、次のように述べた。「『エルサレムの剣』作戦は、敵方シオニストとの紛争の歴史における重要な章であり続けた。シオニストたちは、自分たちにはエルサレムを自由にする権利があると考え、その政策や計画がアル・アクサモスクを時間的かつ空間的に分裂させ、(エルサレム内の近隣地区である)シェイク・ジャラーにいた我々の人民たちを立ち退かせる機会をもたらした。

当レジスタンスは、エルサレムとアル・アクサをその最優先事項とすべく交戦の諸要素や規定を定めた」

イスラエル軍は、パレスチナ人にとって特別な意味を持つ次のような日程で、敵対行為がエスカレートする可能性に備えている。5月15日はパレスチナ人の破滅(ナクバ)の記念日、5月29日は入植者が行進を行うエルサレム占領の記念日、6月5日はヨルダン川西岸、エルサレム、ガザ地区、シリアのゴラン高原の占領の記念日である。

パレスチナ人の政治アナリストであるガッサン・アル・ハティブ氏はアラブニュースに対し、パレスチナ人による暴力的反動は、イスラエルによる自分たちへの行動が前代未聞のレベルにまで達したことが引き金となっていると語った。

エルサレムのアル・アクサでのイスラエル過激派右翼による挑発行為や、ヨルダン川西岸地区の入植者たちによるパレスチナ人とその財産への攻撃を自由にさせていることなどが、パレスチナ人の暴動を招いたのです」とアル・ハティブ氏は述べた。 

「問題は、パレスチナ人が直面している経済的困難に加え、現在のイスラエル政府が脆弱であることから、アル・アクサモスク関連にしても、ヨルダン川西岸地区の問題にしても、入植者や国内の右派政党に譲歩せざるを得なくなっていることにあります」

「パレスチナ人による暴力的反動の問題は、軍事力の行使ではなく、パレスチナ人への挑発を和らげ、彼らの経済状況を改善し、政治的未来に希望をもたせることで解決すべきです」

イスラエル当局は4月に、東エルサレムで大規模な弾圧を開始した。イスラエル行政府が発表した報告によると、警察が894人のパレスチナ人を逮捕し、37人に自宅監禁命令を下し、590人にアル。アクサモスクへの立ち入りを禁止し、463人を負傷させ、1軒の家屋を破壊したという。

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