ベイルート:シリアの武装集団が金曜にシリア北部で兵士10人を殺害し、2年以上前に停戦協定が結ばれて以来最も大きな犠牲を出したと、戦争監視団と親政権派メディアが発表した。
シリアの国営通信SANAは、この攻撃によって他にも兵士9人が負傷したという軍関係者からの情報を伝えた。
SANAはこの情報提供者からの話として、アレッポ県の西で「今朝の9時半頃にテロリストが軍のバスを狙った」と伝えている。
シリア人権監視団は金曜早くに「親政権派の戦闘員」が襲撃によって死亡したと報告していた。
この地域で優勢な過激派組織タハリール・アル・シャーム(HTS)によるものか、別の反体制派勢力によるものか、直ちに明らかにはなっていない。
襲撃者は親政権派の戦闘員を故郷に送るバスに向かって対戦車誘導ミサイルを発射したと、監視団のラミ・アブドル・ラーマン代表は述べた。
同氏によると、今月に入ってから政権側の兵士や協力する民兵による同様の攻撃で6人の反体制派戦闘員が死亡したという。
金曜の死者数は、ロシアとトルコが仲介した2020年3月の停戦合意以来、敵対勢力の攻撃を受けての新政権派兵士の死亡報告として最悪のものとなった。
ロシアがシリア内戦に介入する以前には、バッシャール・アサド大統領政権はかろうじて国土の5分の1を支配していた。
シリア政府はロシアとイランの支援により、内戦初期に失った地域の多くを取り戻した。この内戦は民主化を求める抗議活動を政府が残忍に抑え込んだ2011年に勃発したもの。
イドリブ県の広範囲と隣接するアレッポ・ハマ・ラタキア県の一部などが政権に敵対する武装勢力の残された支配地域となっている。
シリアの旧アルカイダ下部組織の一員だった人物が率いるHTSは、この地域で優勢を占めているが、他の反体制派組織も活動しており、多かれ少なかれトルコの支援を受けている。
2020年の停戦協定は、継続するロシアの空爆を含む双方からの散発的な攻撃がありながらも維持されている。
トルコはシリア北部への影響力を確かなものとして、かつてないほど多数の難民が国境に押し寄せることにつながりかねない内戦の新たな戦闘を回避しようと必死だった。
トルコは360万人以上のシリア難民を抱えており、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領はこの問題に関する国民の怒りの高まりを受け、政府は難民100万人に帰国を促すと提言している。
AFP