ベイルート:イランを後ろ盾とするヒズボラの指導者サイード・ハッサン・ナスラッラー師は、今回の選挙で彼の政党とその同盟者らが議席の過半数に至らなかったことを認めたが、5月15日(日)の選挙以来初めてのテレビ中継による演説の中で、どの政党も過半数を獲得しなかったと述べた。
「2018年の国会の状況とは異なり、過半数を獲得できた政党は一つもない」と彼は言う。
ロイターの記録によると、ヒズボラとその同盟者らは5月15日(日)の総選挙で62議席を獲得したが、2018年に彼らとその同盟者らが勝ち取った過半数の71議席には至らなかった。
ヒズボラとその同盟勢力アマルは国会のシーア派議席を全て死守したが、スンニ派、 ドゥルーズ派、キリスト教の政党をはじめ、最も古くからのヒズボラ同盟者たちの一部が議席を失った。
今回の選挙では、反ヒズボラ勢力のレバノン軍団党、改革を志す20名近い新人、それに少数の無所属が議席数を伸ばした。
この結果はヒズボラにとって手痛い一撃となったが、ナスラッラー師はこの結果を「大変な大勝利」だと公言している。
ナスラッラー師は新政党を含む各政党間の協力体制を呼びかけ、それが達成されなければ国は「混乱と空虚」の状態に陥ると述べた。
この選挙の結果、議会は複数の勢力に分断され、どの勢力も過半数を占めておらず、政治の停滞と緊張の高まりが予測されるため、レバノンを財政破綻から立て直すために急務となっている改革が遅れる可能性がある。
ロイター