
アラブニュース
ロンドン:昨年の誓約にもかかわらず、民間人に被害を及ぼした作戦についての米軍の内部評価には「根本的に」欠陥があり、早急に是正が必要だと、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は19日に述べた。
17日、米国防総省は2019年に実施したシリアへの空爆について、全文ではないが、公開概要を発表した。その中で作戦のやり方に落ち度があったと認めたが、その説明責任を負うものはいないとした。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのワシントン代表、サラ・イェーガー氏は、「がっかりしているが、DODがまた民間人の死者について責任を負うのを拒否したことに驚いてはいない」と述べた。
「調査過程の明らかな欠点を解決するとともに、米軍は犠牲者の遺族に敬意を示すため、また、今後の暴挙を防止するために、評価の全文を公開すべきだ」と、彼女は言い添えた。
ロイド・オースティン国防長官が調査の再検討を始動させたのは、ニューヨークタイムズの11月の記事で、2019年3月にバグズへの爆撃で数十人の民間人が殺されたことを認めていないとして最初の調査が非難され、DOD内部の複数の人間が民間人の被害範囲を隠蔽しようとしたと断言されてからだった。
オースティン氏が介入し、“民間人への危害の軽減・対応行動計画”を設けると誓約したにもかかわらず、この度の評価は透明性を高める努力をしておらず、目撃者からの情報が不足しており、「戦闘員の定義の巾が広すぎ」、民間人の被害が修正されていない、とHRWは語った。
DODは戦争行為に参加していようといまいと、すべての成人男性を戦闘員として分類し、民間人と戦闘員を分ける国際人道法の基準に違反している。取得した情報を適切に裏付けずに、間違ったシリアの同盟者に依存している。米軍の他には人々への聞き取りの証拠を提出していない。NGOはこのように主張した。
HRWは声明で、「その代わりに、軍の評価者は評価に当たり、空爆を実施するために頼りにした同じ不完全な情報に依存したようだ」と述べた。
イェーガー氏は、軍の民間人被害の取り扱いについて米国議会が早急に介入して取り組むために必要な証拠として調査をしていないと指摘した。
「今年の初め、改革をするというオースティン長官の約束に大きな期待を持ったが、この照査には多くの失策があり、米軍は何も分かっていないのではないかと深く憂慮している」と、彼女は述べた。