
ハゼム・バロウシャ
ガザ地区:ガザでの再建作業の遅れは、地元の人々を苛立たせており、激しい戦闘の終結から1年経った今でも多くの人が仮設住宅に住んでいる。
アイマン・ダーマンさんは、昨年5月のガザ紛争で自宅を破壊されてから1年以上、家族とともに借家で生活している。
ダーマンさんは、以前住んでいた現在も分割払いを続けているアパートが、いつ再建されるのか分からないという。
ガザ地区ではこれまで4回の紛争が起きており、最後に起きたのは2021年5月だった。この年の紛争は11日間続き、その間約1,700戸の住宅が全壊した。
「戦争の数年前にアパートを購入し、今でも毎月の給料から分割払いを行っています。今は紛争後に借りたアパートで妻と娘2人、そして息子2人と暮らしています。いつまた元の家に戻れるかわかりません」とダーマンさんは話す。
ダーマンさんと彼の家族は、ガザ市の北部にある、10家族が住む5階建ての建物に住んでいた。
国連難民救済事業機関は、ダーマンさん一家を含め、戦争で家を完全に破壊されたパレスチナ人154世帯に家賃手当を給付した。
ガザ公共事業省のナジ・サルハン次官によると、昨年の紛争終結以来、被害を受けた物件のうち再建されたのは20%にも満たないという。
日曜日、サルハン次官は「住宅部門の達成状況および進捗状況としては、全壊した家屋の20%、一部損壊した家屋の70%を超えていない」と、ガザでの記者会見で述べた。
また、「昨年5月の侵攻時に占領軍によって爆撃され、破壊された高層ビルや多層住宅を再建できる保証はない」と付け加えた。
昨年エジプトとカタールは、紛争後のガザ地区の再建のために10億ドルの拠出を約束した。
「昨年のガザへの侵攻後、多くの友好国が次々と援助を約束してくれた。エジプトとカタールの5億ドルの援助を筆頭に、その他の国や機関からもわずかな金額の援助を受けることができた」とサルハン次官は述べた。
エジプトはまた、ガザの全長1.8キロのコーニッシュ通り、117棟からなる3つの住宅地、合計2,500戸以上の住宅の建設に着手し、シュジャイヤ地区の橋、サラヤ地区の覆道の建設計画も進めている。
一方、カタールは200戸の住宅建設に着手したほか、一部損壊した11棟の住宅の修復にあたっている。また、破壊された交差点も数多く修復しており、復興作業を継続することを約束していると、サルハン次官は述べた。
イスラエルは5月29日、エルサレムで旗を掲げての行進を行う予定である。その準備を進める緊張の中、イスラエルとハマスの間で新たな戦闘が起こるのではないかという懸念が高まっている。昨年、同様の動きが紛争へとつながった。
ハマスの政治局長を務めるイスマーイール・ハニーヤ氏は、ガザ地区で開かれた会議で次のように述べた。「我々は5月29日、聖地アル・アクサモスクを襲撃する、あるいは旗を掲げての行進を行うとの脅迫に対し警戒している」
「そのような犯罪や行為に踏み切らないよう、敵に警告する」
ガザ地区のパレスチナ人は、新たな紛争への支持をめぐって意見が別れている。
ハマスやイスラム聖戦の支持者、パレスチナ解放人民戦線の一部の支持者は、行進をめぐってイスラエルと対立する意思を示している。一方で、紛争が起こればガザ地区の経済的苦境に拍車がかかるだけだと危惧する者もいる。