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イスラエルによるヨルダン川西岸地区の襲撃により、パレスチナ人の10代が射殺される

エルサレムをパトロールするイスラエルの治安部隊員(AFP)
エルサレムをパトロールするイスラエルの治安部隊員(AFP)
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25 May 2022 07:05:31 GMT9
25 May 2022 07:05:31 GMT9
  • 来週には、イスラエルの超国家主義者がオールドシティーにあるイスラム教徒にとっての目抜き通りでの行進を計画している

エルサレム:保健当局は、イスラエルが占拠するヨルダン川西岸地区においてイスラエル軍との衝突で負傷した16歳のパレスチナ人が、25日早朝に死亡したと発表した。これは、ここ数カ月間に渡って続いてきた暴力の波の最新の一波である。

パレスチナ保健省によると、ガイス・ヤミンさんは頭に銃撃を受けて負傷し、病院で死亡した。パレスチナの公的報道機関であるWafaは、軍の護衛を受けたユダヤ系の礼拝者らが礼拝を行うためにナーブルス郊外の聖堂に到着したところで衝突が起きたと報じている。

Wafaの報道によると、ヨセフの墓付近で起きた衝突により、少なくとも15人のパレスチナ人が負傷した。この地域では頻繁に一触即発の事態が起きている。ユダヤ人の一部は聖書に登場するヨセフがこの地に埋葬されていると考えている一方、パレスチナ人はここがシャイフの墓所であると述べている。

24日、イスラエル当局はこの数週間における暴力の激化によって数十人が死亡する中、パレスチナ武装勢力ハマスによる議員の銃撃、兵士の誘拐、エルサレムのライトレールシステムの爆破など、広範囲に渡る策略を阻止したと発表した。

警察およびイスラエル公安庁は声明を発表し、衝突の火種となっている同市の緊張が高まる中、極右のイタマー・ベン・グヴィル議員らを狙った銃撃を計画していたとして、東エルサレムのパレスチナ人男性5人を逮捕したと述べた。

当局によると、容疑者らはイスラム教徒の聖月であるラマダン期間中だった先月に攻撃を計画し、アル・アクサーモスク、ユダヤ人にとっての神殿の丘周辺地域の「不安定化」を狙っていたという。
当局の発表によるとドローン一機が発見されており、容疑者にはこれに武器を取り付けてエルサレムのライトレールを攻撃する意図があったという。このライトレールは、通勤客や観光客が利用し日々混雑している。

当局は、計画の首謀者が武装勢力ハマスのラシード・ラシャク容疑者およびマンスール・ツァファディ容疑者の2人であることを明らかにしており、両容疑者はラマダン期間中の先月、東エルサレムに「大量の花火、旗、ハマスのビデオを持ち込んだ」という。また治安部隊は、「拉致被害者」の撮影に使用される予定だったカメラ一台、現金、その他の機器を押収した。

当局の声明では、容疑者らが計画の実行にどれだけ迫っていたのかについては明かされなかった。ハマスから直近でのコメントは出されていない。

今回の逮捕は、東エルサレムでパレスチナのデモ参加者とイスラエル警察間の暴力が激化している中で起こった。東エルサレムの中でも、暴力の大半は争点となっている聖地にて集中的に発生している。また、イスラエル国内で死者を出した一連の攻撃への対応として、イスラエルはこの数週間ヨルダン川西岸地区での軍事活動を強めている。

来週には、イスラエルの超国家主義者がオールドシティーにあるイスラム教徒にとっての目抜き通りでの行進を計画している。

この行進は、1967年の第三次中東戦争でイスラエルが東エルサレムを占拠したことを記念して行われるという。その後イスラエルは、国際的に認められていない手順を踏んで同地域を併合した。パレスチナ人は、東エルサレムが未来国家の首都であると主張している。

また、ジェニンで発生した銃撃戦によりアルジャジーラのシリーン・アブアクラ記者が死亡したことも、緊張悪化の要因となっている。AP通信が行った現場再現は、アブ・アクレさんを襲った銃弾がイスラエル側の銃から発砲されたものだとするパレスチナ当局およびアブアクラさんの同僚らの主張を裏付ける形となった。

イスラエルとパレスチナがそれぞれに重要な証拠を握っている中、両国間に存在する深刻な不信により、どのような形であれ結論は曖昧なものになる可能性が高いだろう。

AP

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