
金曜日、米国がギリシャ付近でロシア運航船からイラン産石油を押収したことにイランが抗議し、テヘランで米国の利益を代表するスイス特使を召喚したとのイラン外務省声明を引用し、イランメディアが報じた。
同省は船と積荷の即時解放を求めたと、国営通信IRNAが引用して報じている。
米国は水曜日、石油密輸とロシアが支援するイラン革命防衛隊のコドス部隊のマネーロンダリングネットワークとされているものに対して制裁を発動した。
米国司法省の報道官は、石油の押収についてコメントを避けている。
IRNA およびその他メディアはイラン外務省の発表を引用し、「イスラム共和国は、米国政府が国際法および国際海事条約に違反し続けていることに対して深い懸念を表明した」と報じた。
ギリシャ海運・島しょ政策省の関係者は 2 日、米司法省が「船の積荷はイラン産石油であるとギリシャに通知した」とロイターに対して明かした。
押収されたのは貨物がイラン産の石油であることが理由なのか、またはロシアとの関係をめぐるタンカーへの制裁措置のためなのかは不明である。イランとロシアは米国によるそれぞれ別の制裁の対象となっている。
この問題に詳しい3名の情報筋が木曜にロイターに語ったところによると、米国は別の船舶に貨物を積み替え、同国に送る計画だという。
イラン船籍のペガス号は、ロシアのウクライナ侵攻の2日前にあたる2月22日に、ロシアの防衛セクターに無くてはならないとされているプロムスビアズ銀行に対する制裁のために米国が制裁対象として指定していた5隻の船舶のうちの1隻である。
IRNA は水曜日に、イラン外務省が「ギリシャ領海でイラン・イスラム共和国の旗を掲げた船舶の貨物が押収されたことに、イラン政府が強く反対するという考えを知らされた」ため、在テヘランのギリシャ大使館の責任者を呼びつけたと報じた。
IRNA はイラン港湾海事局の発表を引用し、タンカーは技術的な問題と悪天候に見舞われたためギリシャ沿岸に避難したと述べ、積荷の押収は 「海賊行為の明らかな例である」と付け加えた。