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トルコ、イスタンブールでの強制捜査でダーイシュ新指導者を拘束

トルコは自国の反テロへの取り組みを示すために、NATO加盟国に対して大きな貢献度を見せることに意欲的であると安全保障専門家は述べる。(AFP資料写真)
トルコは自国の反テロへの取り組みを示すために、NATO加盟国に対して大きな貢献度を見せることに意欲的であると安全保障専門家は述べる。(AFP資料写真)
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28 May 2022 08:05:30 GMT9
28 May 2022 08:05:30 GMT9
  • トルコは西側の安全保障上の優先順位に従い、NATO諸国に対して共通のテロ脅威を再認識させようとしているのだと専門家がアラブニュースに語る

メネクセ・トキャイ

アンカラ:トルコは、イスタンブールで強制捜査を実施し、過激派組織ダーイシュの新指導者を拘束したと現地メディアが26日に報じた。

トルコ反体制派ニュースウェブサイトのオダTVは、イスタンブールのザフェル・アクタス警察署長の指示による強制捜査で、アブ・アルハサン・アルハシミ・アルクライシ氏が拘束されたと報じた。調査と準備に数日をかけての逮捕劇であったという。公式な発表はまだされていない。

トルコの新聞報道によると、数日うちにレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が作戦の詳細について公表するという。

ダーイシュの前指導者であるアブ・イブラヒム・アルハシミ・アルクライシ氏は、2月3日にシリア北西部で米軍により殺害された。

ここ数ヵ月、トルコ警察は全国のダーイシュ下部組織の強制捜査を組織的に行ってきた。5月に入り、シリアとの国境のウルファで、ダーイシュとの繋がりがあるとされた自爆テロ未遂犯が逮捕され、同じ週にブルサで、さらに3人が拘束された。

26日には、南東部のガズィアンテプ県の警察署の前で自爆を試みたとされる別のダーイシュメンバーが警察に射殺された。

これらの最近の強制捜査は、トルコ政府が自国の対テロ活動への取り組みを示すために、NATO同盟諸国に対して大きな貢献度を見せる手段として使われている可能性があると専門家は指摘する。

ワシントン近東政策研究所トルコ研究プログラムのディレクターであるソネル・カガプタイ氏は、イスタンブールでの捜査活動のタイミングがそれを示していると考える。

「NATOの拡大議論が進む中で、トルコがダーイシュ指導者を逮捕したとのニュースが流れたことは偶然ではなく、トルコは北欧諸国に対し、テロ組織を援助しているとして非難しています」と彼はアラブニュースに語った。

カガプタイ氏の考えによると、トルコは西側の安全保障上の優先順位に従って共通のテロ脅威に対処し、トルコの貢献度をNATO加盟諸国に認識させようとしているのだという。

トルコもダーイシュと長年戦ってきた大規模な国際有志連合の一員だ。

モロッコの都市マラケシュで開催された最新の有志連合閣僚会議においても、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相は、同国独自の懸念を訴え、他のテロ組織が支援する中でダーイシュとの戦いに勝利するのは不可能だと述べた。

この発言は、クルド人民防衛隊(YPG)を始めとするクルド人組織を指しているのだと広く解釈されている。YPGは、スウェーデンから一定の支援を受けており、スウェーデンは現在NATOへの加盟を申請している。結果としてトルコは、同国の加盟に反対しているのだ。

「イスタンブールでの最近の強制捜査は、トルコにとっては西側同盟諸国に訴える手段であり、ダーイシュだけでなくクルディスタン労働者党(PKK)やそのシリア系分派であるクルド人民防衛隊など、他のテロ組織にも対処しなければならないトルコの国内事情を今こそ理解して欲しいと突き付けているのです」とカガプタイ氏は述べた。

アルクライシ新指導者の逮捕報道のあった26日にも、エルドアン大統領を議長とする国家安全保障会議が開かれており、シリア北部の武装組織YPGに対して近々実施するトルコの軍事作戦の詳細が話し合われていた。

「我が国南部の国境からテロの脅威を取り除くために現在実施されている軍事作戦および今後実施される作戦は、隣国の領土保全や主権を脅かすことを目的とするものでは決してなく、我が国の安全保障上の必要から実施されるものである」と会議の最終報告書には書かれている。

トルコ政府は、アレッポ県のマンビジ、アインアルアラブ、テルリファートを敵対組織の拠点と捉え、それらの地区からの安全保障上の脅威にさらされていると考えている。

エルドアン大統領は23日、YPG勢力を押し戻すためにシリア北部に攻撃をしかけ、そこに30キロにおよぶ安全地帯を設け、現在トルコで暮らすシリア人難民を入植させるつもりだと発表した。

しかし、これまで3度の軍事行動を実施した後だけに、この軍事作戦は現在のところ米国の同意を得られていないようだ。

「南部の国境に関するトルコの正当な安全保障上の懸念については認識しているが、これ以上の攻撃は地域の安定をさらに損ない、対ダーイシュの米軍と有志連合の軍事作戦を危険に晒すことになる」とネッド・プライス米国務省報道官は5月24日に記者会見で述べた。

セキュリティコンサルタント会社スーファン・グループの研究ディレクターであるコリン・P・クラーク氏は、トルコにおける対ダーイシュ作戦は、地域における同組織の存在に大きな影響を及ぼすことができると考えている。

「ダーイシュは、まだ領土『カリフ』を保持していたときでさえ、資金や物資の支援ネットワークの土台固めのためにトルコに工作員を派遣していました。そうしたネットワークはダーイシュにとって効果的に機能し、幹部はコンスタントに資金にアクセスすることができたのです」と彼はアラブニュースに語った。

トルコ政府にはダーイシュをさらに厳格に取り締まるよう促すべきだが、しかし、国内でのテロ攻撃など反動が懸念されるとクラーク氏は言う。

ダーイシュのメンバーは、少なくとも10件の自爆テロ、7件の爆弾テロ、4件の武装テロなど、トルコ各地で攻撃を実施しており、これまでに315人が死亡、数百人が負傷している。

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