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ヨルダン川西岸とガザ地区のパレスチナ人に対するイスラエルによる「不当な」移動制限に怒りが高まる

イスラエルで働くパレスチナ人労働者の書類を確認するイスラエル治安部隊。(AFP/File)
イスラエルで働くパレスチナ人労働者の書類を確認するイスラエル治安部隊。(AFP/File)
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01 Jun 2022 04:06:48 GMT9
01 Jun 2022 04:06:48 GMT9
  • シャラルデ氏は、イスラエル軍当局に数回にわたって逮捕され、最後は2016年12月に釈放された

モハメド・ナジブ

ラマッラー:パレスチナ人教師のザワダ・シャラルデ氏は、イスラエルから37年間の移動制限を言い渡されている。

ヨルダン川西岸地区のヘブロン近郊の町サイルに住む59才の男性が、彼の移動が制限されていることで彼の妻の移動の自由にも影響が出ているとアラブニュースに語った。

彼は「1985年から今まで、イスラエル占領軍によって安全保障上の理由だとして移動を制限されている。私に課された制限のせいで、私の妻までもがエルサレムへ入る許可証をもらえない」と語る。

シャラルデ氏は、イスラエル軍当局に数回にわたって逮捕され、最後は2016年12月に釈放された。彼の移動制限は逮捕の前も後も課されたままだった。

彼は1988年、1993年、2008年にウムラを行うためにサウジアラビアに行こうと試みたが、いずれの時も、ヨルダン川西岸地区とヨルダンを結ぶ唯一の陸上国境検問所であるアレンビー橋でイスラエルに阻止された。

「今もウムラを行うためにサウジアラビアに行きたいが、許可が下りない。私は逮捕され禁固刑を受けた。何故、さらなる罰で移動を禁止されなければならないのか」

「これは不正であり、人間の自由に対する不当な制限だ。私が自由に移動する権利を行使するのを妨げる権利はイスラエル占領軍にはない」と彼は続ける。

シャラルデ氏は移動制限を課された何百人ものパレスチナ人の一人だ。そのようなイスラエルによる制限は近年になって強化されていると人権関係者は主張する。

「移動制限が解除されるまで闘い続ける。移動する権利は手放さない」とシャラルデ氏は続ける。

イスラエルは、2014年にはヘブロン、今年にはジェニン近郊の村ルマナなど、地域全体において同様の制限を実施している。

移動制限に反対するキャンペーンを率いる、ラマッラーのフリヤット市民権センターのヘルミー・アル・アラジ所長は、「集団的な移動制限は特定の期間だけだが、個人的な移動制限は期限や期間がわからず永久的なものと考えられるからずっと悪い」と語る。

同氏によると、イスラエルの国内保安機関シン・ベットによってパレスチナ人に課された個人移動制限は、しばしば無期限に続き親族にも影響が及ぶため、法的な問題に直面しているという。

多くのパレスチナ人は、貿易やビジネスのため、あるいは教育、治療、巡礼、家族との再開のためにヨルダンを経由する必要がある。パレスチナには空港がないが、パレスチナ人はイスラエルのベングリオン空港の使用を禁止されているため、イスラエル当局が管理するアレンビー橋が外の世界への唯一の経路だ。

フリヤット市民権センターは2014年以降で8500件以上の移動制限措置を記録しているが、そのうち650件に女性が関与している。

「旅行者は国境検問所でヨルダンへの移動を阻止された時にこの措置に驚く」とアル・アラジ氏は続ける。

移動制限は、ヨルダン川西岸地区の300万人とガザ地区の200万人のパレスチナ人に影響を与えており、2つの飛び地の間の移動は許されていない。

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