
アラブニュース
ジェッダ:国連の核監視機関による批判的な調査報告の後、イラン当局は5月31日、国内3ヵ所の未申告核施設でウランの痕跡が検知されたことへの説明を求められた。
国際原子力機関(IAEA)は最新の調査報告で、イランは、マリバン、バラミン、トゥルクザバドの核施設で明らかに核開発をしている痕跡があるとの以前からの疑問に対し、信用に足る回答をしていないと述べた。
「我々はイランに対し、IAEAの保障措置協定に基づく質問と要求に直ちに応えるよう要請する」と31日にフランス外相が述べた。
この議論が、来週開催される35カ国によるIAEA理事会で、新たな外交的対立を招く可能性がある。
欧米列強がイランへの非難決議を求めた場合、イランとの2015年核合意への復活に向けた取り組みにさらなる打撃を与える可能性がある。
列強諸国はこれまで、ウィーンでの協議が危うくなる事態を恐れ、この件に関して理事会でイランを責め立てることを繰り返し避けてきた。
しかし、こうした協議が行き詰まり、核合意再開への希望が薄れる中、フランス外相は、「我々は次の理事会でこの状況を追求することについて、他の理事国と密接に協議している」と述べた。
イランとIAEAは、これらの施設の問題を解決する取り組みについて、3月に合意している。この合意に基づき、IAEAのラファエル・グロッシ事務総長が来週の理事会で、「自身の結論を報告」することになっている。
核関連活動のほとんどは2000年代初頭に遡ると考えられるが、テヘランのトゥルクザバド地区にある施設については、つい最近となる2018年にウランの貯蔵に使われていた可能性がある。
イランは、IAEAの最新報告を「不公正」であるとし、イスラエルの影響力を非難した。
「シオニスト政権を始めとする特定の関与国が行使する政治的圧力が、通常であれば技術的であるべきIAEA報告書の道筋を政治的なものへと歪めている」とイランのサイード・ハティブザデ外務省報道官は述べた。
IAEAのイラン政府代表を務めるモハマド・レザー・ガエビ氏は、この調査報告には「イランのIAEAに対する広範な協力が反映されていない」と述べた。
「イランはこのやり方に対し、現在のわが国とIAEAとの密接な関係と協力に対して非建設的であると考える。このような偏った調査報告を公表すれば破壊的な結果を招くことを、IAEAは認識すべきだ」と同氏は述べた。
一方、イスラエルは31日、イランが核兵器開発計画の証拠隠滅を図り、IAEAから文書を盗んだとして非難した。
「イランは機密文書を盗み……核査察を組織的に逃れるためにその情報を使った」とナフタリ・ベネット首相は述べた。
「どうしてそれを知ったか? 我々はイランの不正計画を入手したのだ」