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国連、イエメンの石油タンカー救済のため1,000万ドル拠出のサウジアラビアに感謝

国連イエメン担当人道調整官ウィリアム・デビッド・グレスリー氏。(AFP)
国連イエメン担当人道調整官ウィリアム・デビッド・グレスリー氏。(AFP)
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13 Jun 2022 05:06:37 GMT9
13 Jun 2022 05:06:37 GMT9
  • 船体の損傷により大規模な環境災害が起こり得ると、専門家が警告

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー:国連は日曜、イエメンの腐食が進む石油タンカー・セイファーのメンテナンスを目指す取り組みに1,000万ドルを拠出するサウジアラビアに対し、感謝を表明した。イエメンの当局やアナリストは、船に国連チームが到達できるようイランが支援するフーシ派に対し強力な圧力をかけることを求めた。

国連の計画は、タンカーの爆発や漏出によって紅海で起こり得る大規模な環境災害を回避することを目的としている。国連人道調整官デビッド・グレスリー氏の広報担当であるRussell Geekie氏はアラブニュースに対し、サウジアラビアからの寄付金は資金不足を軽減するものだが、国連が計画を実行するためにはより多くの資金提供が必要だと述べた。

「寄付を約束、実行してくれた全ての資金提供者に感謝しており、本日のサウジアラビアの発表、先週の米国の発表を非常に喜ばしく思っている。これによって資金不足が軽減されるものの、まだ不足している。手遅れになる前に緊急作業を開始するため、依然として至急に資金を必要としている」とGeekie氏は述べた。

110万バレル以上の石油を積んだ船齢45年の古い石油タンカー・セイファーは、フーシ派がイエメン全土における武力拡張にともなってフダイダを掌握した後、世界のエンジニアらが同国から退避した2015年以来、イエメン西部のフダイダ県沖に放置されたままになっている。

船内の劣化が長年にわたって進んでいる。(AP通信)

タンカーの一部に錆による損傷が起こっていることを確認した報告をきっかけに、地域および国際社会で紅海における大規模な環境災害の可能性に対する警戒が高まっている。

先週、グリーンピースはアラブ連合に対し、タンカーのメンテナンス資金を調達して、戦争で荒廃したイエメンと近隣各国に影響を及ぼし得る紅海での災害を防ぐ国際的取り組みへの協力を要請した。

「我々はこの役割を担い、解決へと導く(アラブ連合の)能力を信じている。もし災害が起これば、その残酷な結果は、生計・栄養・健康・環境の悪化に見舞われるこの地域に暮らす数百万人の人々とともに、我々全員に影響を及ぼすだろう」とグリーンピース中東・北アフリカの事務局長Ghiwa Nakat氏はTwitterで述べた。

イエメン政府は、フーシ派が腐食の進むタンカーを国際社会やアラブ連合軍、イエメン国内の敵対勢力から譲歩を引き出すための交渉の切り札として使っていると繰り返し非難してきた。

フーシ派は以前、国際的専門家チームに損傷評価のための乗船許可を与えることを拒否し、タンカーの積荷の販売利益と代替用タンカーの受け渡しを要求した。

イエメンのムッカラー出身の海上保安研究者で、エジプトのアラブ科学技術・海運大学の博士候補であるNabil bin Aifan氏はアラブニュースに対し、漏洩や爆発による環境への壊滅的影響が予想されているにもかかわらず、タンカー救済に向けた現地での活動は不足していると述べた。

「災害が差し迫っており、国際社会はそれに気付いているのに、船に対して最も単純な緊急安全対策が講じられてこなかった」とbin Aifan氏は述べた。「これは、国際社会の弱さを示している。船のメンテナンスのため、ずっと以前にもっと圧力をかけるべきだったのだ」

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