
ラマッラー:著名な活動家、ニザール・バナート氏の殺害事件で公判中のパレスチナの治安部隊員14人が保釈された。同氏の死は、パレスチナ自治政府に対する異例の抗議を引き起こした。複数の情報筋が22日、明らかにした。
この集団は21日、正式に保釈を要求した。検察当局は、彼らが法廷審問に出席することを条件に許可した。
彼らが収容されていたヨルダン川西岸地区の刑務所での新型コロナウイルスの感染拡大のリスクが、釈放の理由として挙げられた。
バナート氏と死別した女性は、その理由を非難した。彼女はさらに、パレスチナのマフムード・アッバース政権が彼女の夫の事件で起訴された殺人犯を裁いても信用できないと非難した。
「殺人犯が裁判官になれるはずがありません」とジハン・バナートさんはAFPに語り、容疑者の保釈の決定は「政治的」だと述べた。
「パレスチナ自治区がコロナの感染拡大を心配しているなら、なぜ拘留されている他の囚人を全員釈放しないのですか」
バナート氏は2021年6月、一触即発の状況が続いているヘブロン市にある自宅で治安部隊に突入・拘束され、その後死亡した。検死の結果、同氏が頭や胸、首、手足を殴られたことと、拘束から死亡まで1時間足らずだったことが分かった。
パレスチナの検察トップは治安部隊員14人を、バナート氏を撲殺した罪で告発した。パレスチナ自治政府は、ヨルダン川西岸地区で軍事裁判を行って責任を果たすと約束した。
しかし、ラマッラーを拠点とする法律の専門家、マジェド・アル・アルリ氏は、司法命令なしに容疑者を保釈するのは「違法」だと述べ、パレスチナ自治政府のこの事件の扱い方への懸念が広がっていると指摘した。「この6カ月間で明らかになったことがある。それは、ニザール・バナート氏殺害で起訴された人たちに関する法的手続きが、意図的に引き延ばされていることだ」とアルリ氏は述べた。
AFP