
モハメド・アブ・ザイド
カイロ:「テロリズムは、人類が直面する最大級の課題だ」。エジプトのアブドル・ファターハ・エルシーシ大統領は、北京で開かれた中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの新興5ヵ国(BRICS)首脳会議の演説でこのように述べた。
エルシーシ大統領は、「BRICSグループが、開発途上国にとって関心のある政治問題や経済問題、特に開発協力の展望や開発資金支援の検討に関して、共通の視点を持とうと努力している」と称賛した。
続いて同大統領は、「現在の経済危機の影響に対処することに焦点を合わせた努力は、開発資金不足に今も苦しむ後発開発途上国による持続可能な開発への支援を犠牲にして行われてはならない」と述べた。
また、エルシーシ大統領は、次のように述べた。「開発目標は、テロや気候変動に代表される従来型・非従来型の課題に対処するためのあらゆる国際的努力と並行して達成されなければならない」
同大統領は、「テロリズムという現象は市民の基本的人権、とりわけ生存権を侵害し、市民の経済的・社会的目標の達成に向けた政府の努力を阻害するものだ」とした。
さらに同氏は、次のように述べた。「エジプトは、テロリズムの根源を絶ち、テロ組織に対する資金、安全な隠れ場所、メディアのプラットフォームの提供を防ぐとともに、経済・社会状況や、一部の人々を過激主義に走らせ、テロ集団に参加させる要因に取り組むために、様々な側面を含む包括的手法を採用する必要性を強調したい」
エジプトは以前、2017年9月に中国がホスト国となって開いたBRICS首脳会議に、招待国として参加したことがある。