
ベイルート:レバノンのキリスト教最高位聖職者は26日、10月末までに実施されることになっている大統領選挙に関係当局が備えるため、分裂している政治家らに対し政権樹立を急ぐよう促した。
レバノンのナジーブ・ミカティ氏は23日、ミシェル・アウン大統領が招集した協議の中で、128人の国会議員のうち、イランを後ろ盾とするヒズボラ系議員を含む54人の支持を確保し、4度目の首相指名を受けた。
しかし、レバノンの支配層の間には深い亀裂が走り、ミカティ氏による組閣は難航が予想されている。政治的空白が生じ、援助を実施するために国際通貨基金と合意した改革に支障をきたす恐れもある。
「私は改めて、国がすぐにでも必要としている政権樹立を急ぎ、国を救う大統領を選出する準備に直ちに集中できるようにすることを求める」。ビシャーラ・ブトロス・アル・ライ枢機卿は26日、説話の中でこのように述べた。
「我々はすべての関係者に対し、首相指名に協力することを要求する」。同枢機卿はこう付言した。
アナリストや政治家らは、アウン氏の後任をめぐる権力闘争が表面化することにより、組閣プロセスが一層複雑になると予想している。同氏はヒズボラ寄りの国家元首で、今年10月31日に任期を終える。
ロイター