アラブニュース
ジェッダ:イランと米国は2022年6月28日火曜日、イランが世界の列強国と結んだボロボロの核合意を修復するための間接的な協議を再開した。
イランの核交渉責任者であるアリ・バゲリ・カーニ首席核交渉官はドーハでEUのエンリケ・モラ氏に会い、モラ氏は米国のイラン担当特使、ロブ・マリー氏へのメッセージの伝達を開始した。
カタール外務省は、今回の協議はイランとの「地域の安全、安定、平和を支え、強化し、より幅広い地域協力と対話のための新しい地平を開く形で」交渉を立て直することを目的としたものであると述べた。
イランと世界の列強国は2015年、経済制裁の解除と引き換えにイランがウラン濃縮を制限する「包括的共同行動計画(JCPOA)」に合意した。2018年、ドナルド・トランプ米大統領が包括的共同行動計画(JCPOA)から離脱し、制裁の再強化を始めたことで、中東全域の緊張が高まり、一連の攻撃や事件が発生することとなった。
ウィーンでは3月以降、核合意の復活に向けた協議が行き詰まっている。核合意が崩壊して以来、イランは高度な遠心分離機を稼働させ、濃縮ウランの備蓄を急速に増やしている。
火曜日にドーハで始まった会談で、イラン原子力庁のモハマド・エスラミ長官は、イランがフォルドの地下核施設に新型遠心分離機のカスケードの設置を開始したことを確認した。
国連の核監視機関である国際原子力機関(IAEA)は先に、イランが同施設で166基の新型遠心分離機IR-6型の連結によるウラン濃縮を計画していると発表した。カスケードとは、より迅速にウランを濃縮するために連結して運転を行う遠心分離機のグループのことである。
「我々は計画された措置に従います」とエスラミ氏は述べた。
イランは今月、IAEAが設置した監視カメラ27台を撤去し、欧米に圧力をかけて交渉を有利に進めた。IAEAのグロッシ事務局長は、イランがこれまで以上に兵器級に近いウラン濃縮を行っているため、核合意に「致命的な打撃」を与えかねないと警告している。
核不拡散の専門家は、イランは純度60%(兵器級である90%から技術的に短工程)までの十分な量のウランを濃縮しており、もし製造を決めたら、核兵器1個を製造できると警告している。
アナリストらは、核兵器製造はイランが核開発を推進する場合、まだ時間がかかると分析しているが、イランの進歩により核開発計画がより危険なものになっていると警告している。イスラエルは過去に、イランを阻止するために先制攻撃を行うと脅しており、既にイラン政府高官を標的とした一連の妨害攻撃や暗殺を行ったと考えられている。