大手銀行グループが、高度な文章を自動生成する対話型人工知能(AI)の本格活用を検討している。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は11日、9月まで実証実験を行うと発表。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は年内の導入を目指す。いずれも社内業務に限定し、生産性の向上を図るのが狙いだ。
三井住友FGは、日本マイクロソフトと連携し、自社の対話型AIを導入する方針だ。実証実験で利用範囲や必要なルールを詰め、9月までに全行員が企画資料や顧客への情報提供資料の作成支援などに使えるようにする。
MUFGは、今夏までに社内ネットワーク上の利用環境を整備。稟議(りんぎ)書などの作成支援に加え、システム開発効率化に向け、プログラミングなどでの活用も視野に入れる。みずほフィナンシャルグループも導入を検討する。
対話型AIを巡っては、個人情報保護に懸念があるとして、欧州などで米新興のオープンAIが手掛ける「チャットGPT」を禁止する動きが広がりつつある。これに対し、大手銀は「グループ専用の環境下で使い、情報が社外に流出しない」(三井住友FG)仕組みを構築。情報の正確性や安全性を確認しながら、将来的な利用拡大を模索する考えだ。
時事通信