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国防長官、米軍のイラク撤退を否定、「誤って送付」の書簡発覚後

2020年1月2日、首都バグダッドの米国大使館の前で警備するイラク治安部隊。(AFP)
2020年1月2日、首都バグダッドの米国大使館の前で警備するイラク治安部隊。(AFP)
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07 Jan 2020 12:01:10 GMT9
07 Jan 2020 12:01:10 GMT9

バクダッド:マーク・エスパー国防長官は6日、米軍をイラクから撤退させる計画はないと述べた。米軍がイラクの司令官に宛てた、イラク撤退の準備のための米軍の再配置に関する書簡について、ロイターなどのメディアが報じたことを受けたものだ。

イランで最高指導者アリ・ハメネイ師に次ぐ2番目の実力者として広く知られているカセム・ソレイマニ司令官が、ドナルド・トランプ米大統領の指示により、米軍のドローン攻撃で殺害された後、この事実は発覚した。

エスパー国防長官はペンダゴンで記者団に対し、「イラクから撤退する決定は一切していない」と述べるとともに、撤退に向けた計画もないと語った。

「あの書簡が何なのか私には分からない。(中略)書簡がどこから出てきたもので、いったい何なのか突き止めようとはしている。だが、イラクから撤退するという決定はしていない。以上だ」

イラクには5,000人規模の米軍部隊が駐留している。

米軍制服組トップは記者団に対し、書簡は表現が不十分なままの下書きであり、米軍の移動が活発化することを強調するためのものだったと説明した。

米陸軍の統合参謀本部議長であるマーク・ミリーは、「表現が不十分で、撤回を示唆してしまっているが、事実ではない」と述べ、撤退は計画されていないことを強調した。

書簡はイラク国防省の合同作戦司令官に宛てたもので、米軍司令官の署名があり、この書簡が本物であることはイラク軍事筋からロイターが確認した。

エスパー国防長官は、米国は同盟国やパートナーと共に、イラクにおけるISへの対抗に依然としてコミットしていると述べた。

6日夜、バグダッド上空を飛行する複数のヘリコプターの音が確認されたが、この書簡に関連するものかは直ちに明らかではない。書簡によると、有志連合は撤収にヘリコプターを使用する。

テヘランでは、ハメネイ師が6日のソレイマニ司令官の追悼式典で、イランの首都の通りを埋め尽くす数十万人の追悼する人々と共に悲しみに涙した。ソレイマニ司令官は3日、バグダッド空港で米軍のドローンによって殺害された。

書簡は、「閣下、イラク共和国の主権を尊重し、またイラク議会とイラク首相からの要請を受け、CJTF-OIRは、前進準備のために、今後数日から数週間のうちに軍を再配置するだろう」と書かれていた。

書簡は、米海兵隊准将で、対ISの米国主導軍事連合司令官ウィリアム・シーリー3世によって署名されていた。

CJTF-OIRは有志連合『生来の決意作戦』を意味する。

書簡には「我々は撤収を命じたイラク共和国の主権的決断に敬意を表する」と書かれていた。

イラク議会が5日にすべての外国軍隊の撤収を要求する決議を採択したことを受け、イランから米軍を撤収させるという同国の要求にも弾みがついている。

イラク首相府の声明によると、イラクのアブデル・アブドル・マハディ暫定首相は6日、両国が決議を実施する必要があると米国の駐イラク大使に語った。タイムラインは明らかにしなかった。

書簡は、「この間、バグダッドのインターナショナル・ゾーン(IZ)とその周辺でヘリコプターの移動が活発化するだろう」としている。インターナショナル・ゾーンとは、バグダッドで官公庁や外国公館などが集まる重警備地区であるグリーン・ゾーンの公式名である。

ロイター/AFP

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