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サドル師支持者ら、圧力戦術をエスカレート

グリーン・ゾーンにある国会議事堂の外で抗議を続けるムクタダ・サドル師の支持者らのために食事を用意するボランティアたち。バグダッド。(ファイル/AFP)
グリーン・ゾーンにある国会議事堂の外で抗議を続けるムクタダ・サドル師の支持者らのために食事を用意するボランティアたち。バグダッド。(ファイル/AFP)
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20 Aug 2022 05:08:38 GMT9
20 Aug 2022 05:08:38 GMT9
  • イラクでは、デモ隊が結集している一方で、政治的行き詰まりのせいで家庭に支援金が届いていない。

バグダッド:金曜日、イラクの宗教指導者ムクタダ・サドル師の支持者ら数千人が、彼らが3週間にわたって占拠しており厳重警備が敷かれているグリーン・ゾーンにおいて毎週の礼拝を行い、圧力戦術をエスカレートさせた。

戦争で荒廃したこの国では、議会選挙から10ヶ月が過ぎても諸派閥が政府の発足に関して合意に至ることができていない状況をめぐって緊張が高まっている。

サドル師には数百万人の熱烈な支持者がいる。先月末、その一部がイラク国会を襲撃し座り込みを開始した。当初は議事堂内での座り込みだったが、やがて外の敷地にまで広がり、現在も数千人が居座っている。

最近には、彼らに反対する親イラン陣営「調整枠組み」も、政府機関や外国大使館があるグリーン・ゾーンに通じる大通りで独自に座り込みを開始した。

炎天下で礼拝が始まると、サドル師の支持者らが「イエス!ムクタダにイエスを!」と唱えた。
サドル師は参加しなかった。

水曜日にムスタファ・アル・カディミ暫定首相が党や他の指導者らと会合を開いて政治的行き詰まりについて協議した際にも、サドル師は出席しなかった。一般のイラク国民は、そのような行き詰まりは自分たちの日々の苦労とは何の関係もないと思っている。

米国主導の侵攻で独裁者サダム・フセインが倒されてから20年近くが経つが、イラクは汚職の蔓延、インフラの崩壊、停電、失業などに悩まされている。

サドル師は、新たな選挙への道を開くために国会解散を求めている。支持者らは、同師を反汚職闘争の推進者と見なしている。

彼らに反対する陣営「調整枠組み」は、新たな選挙の前に移行政府を発足させようとしている。

「調整枠組み」は、イランが支援する元準軍事ネットワーク「ハシュド・アル・シャアビ」や、サドル師の長年の敵対者であるヌリ・アル・マリキ元首相の党で構成されている。

アル・マリキ元首相も水曜日の会合に参加した。この会合では、新しい首相や大統領が不在であるという行き詰まりを解消するためのロードマップに取り組むことで指導者らは合意した。

サドル師に近しいモハネド・アル・ムサウイ氏は金曜日に行った説教の中で、「政治的対話は、国民の利益ではなく、政治的利益と支持者の名においてのみ行われている」と述べた。

この膠着状態は、民兵組織が大きな力を振るっており既に最も弱い立場の人々が犠牲になっているこの国において、新たな混乱が起こるのではないかという不安を掻き立てている。

サブリーン・ハリルさんは昨年に夫を新型コロナで亡くし、7人の子供と共に残されてしまった。政治的行き詰まりのせいで、彼女のような人や何十万もの貧困家庭を助けるための政府の支援金が妨げられている。

ハリルさんは、夫を亡くしたことの影響を語った。「突然、女一人で7人の子供の責任を持たなければならなくなりました(…)大変でした」

彼女は、バグダッド郊外のサアダ村にある、寝室が一つの煉瓦造りの自宅の床に座って、持病を治療するお金がないことや、食品価格が上がっているため子供たちが食事を抜かなければならないことなどを語った。

政府の年金を申請してから9ヶ月が経ったが、労働・社会福祉省からは何の返事もない。

「行くたびに『予算を待っている』と言われます」と彼女は言う。

同省の職員は、ハリルさんには支援を受ける資格があるがそのための資金がないと言った。

「予算がないからこちらではどうすることもできない」という。

その職員によると、年金受給資格があるが政治的行き詰まりのせいで受け取ることができていない家庭が約37万世帯あり、彼女の家族もそのうちの一つだという。

暫定政府の関係者は、「国会を解散し早期に選挙を実施することについてはコンセンサスが得られているが、問題はその仕組みだ」と述べた。協議が進行中だという。

ワシントン研究所の准研究員でイラクの民兵組織を専門とするハムディ・マリク氏は、相違点を埋める努力はなされているものの、速やかに結果が出る見込みはほとんどないようだと語る。

「亀裂があまりにも大きいため解決が見えない。衝突の危険性はむしろ高まっている」と同氏は言う。

国会は6月、小麦、米、ガスの購入や給与の支払いのために数十億ドルを割り当てる緊急法案を可決したが、その他の政府の仕事は停滞している。

イラクの著名な人権活動家ハナー・エドワー氏は、行き詰まりに対する責任は全ての政治派閥にあり、一般のイラク国民がその代償を払わされていると語る。

「人々の間で怒りの声が高まっている。経済状況は悪化し、失業率が上がっている」と彼女は言う。「(政治家らは)利権を自分たちの間で再分配するための話し合いをしている」

一方、ハリルさんはまだサアダで政府からの支援金を待っている。サアダとはアラビア語で「幸せ」という意味だ。政治プロセスが機能していないと彼女は言う。

「投票しないのは間違いだと彼らは言います」

「でも、選挙では何も変わりませんでした」

AFP/ロイター

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