
パリ:イランによって数年間拘禁されている欧州人4人の家族らは火曜日、体制によって人質に取られている彼らの窮状をEUは無視していると非難した。
家族らからEUのジョセップ・ボレル外交政策上級代表への公開書簡が出されたのは、イラン核協議が進展する兆しがほとんど見えない中でのことだ。活動家は、核協議が進展すれば被拘束者らの釈放が早まると見ている。
家族らは書簡の中で、「それぞれフランス、スウェーデン、ドイツ、オーストリアの国民でありイラン体制によって不法に拘禁されている4人の家族である我々は、EUがこれらの犯罪を無視しているように思われることに憤りを感じている」と述べている。
「彼らは全員、EU関係者が自分たちのことを忘れてしまったのか、この過酷な状況にいつまで耐えなければならないのかと訝しんでいる」
書簡には、フランス国籍の被拘禁者の姉妹であるベンジャミン・ブリエールさん、オーストリア国籍の被拘禁者の妻であるカムラン・ガデリさん、スウェーデン国籍の被拘禁者の妻であるアフマドレザ・ジャラリさん、ドイツ国籍の被拘禁者の娘であるジャムシッド・シャーマハドさんの署名が入っている。
ブリエール氏は2年間、ガデリ氏は7年間近く拘禁されている。
ジャラリ氏は6年間拘禁されており、スパイ行為の罪で死刑判決を受けている。シャーマハド氏は約2年間拘禁され、現在裁判にかけられており、死刑判決を受ける可能性がある。
書簡では、「これらの欧州市民たちは拷問を受けており、法律顧問や適切な医療を受けられないまま、捏造された容疑に基づいた著しく公正さを欠く裁判にかけられている」と述べられている。
「彼らは全員、独裁体制によって人質に取られている。この体制は国際的な法的権利や人権の最低基準にさえ従っていない」
これらの外国人の拘禁は完全に法律に従って行っているとイランは主張しているが、活動家は、同国は過去に囚人交換や資金の見返りとみられる動機で容易に外国人を釈放していると反論している。
ボレル上級代表は月曜日、2018年にドナルド・トランプ前大統領が離脱した2015年核合意の復活に向けた努力について「確信を持てなくなっている」と述べた。
ニューヨークを拠点とする「イラン人権センター」によると、イランでは現在、二重国籍者および米国や欧州のパスポートを持つ外国人約20人が拘禁されている。
イランは火曜日、崩壊寸前に至った2015年核合意の復活に向けた主要国との長引く協議において同国は「4つの点」の解決を主張していると述べた。
政府のアリ・バハドリ・ジャフロミ報道官によると、その4点は、新たな合意が将来的にも守られるという米国の保証、懲罰的制裁の緩和、イランの核施設の国連による監視に関連したものだという。
同報道官は記者会見で、「イランの(イブラヒム・ライシ)大統領が言ったように、交渉においては4つの点を求めてきたし、これからも求めていく」と述べた。
同報道官は第1点について、将来の米政権が2018年のドナルド・トランプ前大統領が行ったような合意の破棄を再び行うことがないようにとのイランの要求を主に念頭に置いて、「保証は信頼できるものでなければならない」と述べた。
また、制裁緩和が書類上だけのものにならないように、また外国企業がイランに戻って自由に活動できるように、「客観的かつ実際的な検証が合意の中にあらかじめ見えている必要がある」と述べた。
さらに、イランは制裁緩和の経済的恩恵を確実に受けることを望んでおり、「制裁緩和は有意義かつ持続可能なものとなる必要がある」と述べた。
加えて、イランの複数の研究施設で核粒子が検知され説明もされていない問題に関するIAEAによる調査は「政治的なもの」であり、新たな合意の実施前に終了する必要があるとする同国の主張に触れ、「セーフガード問題についての政治的主張は終わらせる必要がある」と述べた。
当初の核合意では、イランが核兵器を保有しないという保証と引き換えに、同国への厳しい制裁の緩和が約束されていた。ただ、そのような目標は目指していないと同国は常に主張してきた。
バハドリ・ジャフロミ報道官は火曜日、「合意に関する交渉は続いているが、相手側は過度な要求をやめるべきだ」と述べた。
AFP