
ニコシア:キプロスは、キプロスの西203キロ地点を漂流していた300人以上の移民を乗せた、すしづめ状態の木製小型ボートの救助に協力したと、キプロスの当局者が20日に述べた。
キプロス共同救助調整センター (JRCC) のアンドレアス・カラランビデス司令官は、ボート(18メートル)の船長がエンジントラブル発生後の19日午後に遭難信号を送信したことをAP通信に語った。
ヘリコプターと海軍・警察の巡視船3隻が救助に向かったが、カラランビデス司令官によると、このボートは3日前にレバノンを出発し、多くの女性や子どもを乗せてイタリアに向かおうとしていたという。
当局は乗船していた移民の国籍をすぐには特定できなかったが、健康上の問題があると見られる移民はいなかったとカラランビデス司令官は語っている。移民は全員、近くにいたマーシャル諸島船籍の貨物船パオロ・トピック号に無事移送された。
カラランビデス司令官によると、当局は移民が下船できるように、パオロ・トピック号(250メートル)の船長にキプロスのリマソール港に向けて出帆するよう要請したという。しかし、船長はパオロ・トピック号を所有する会社の指示で、本来の目的地であるイスタンブールに向かうことを選択したという。
20日に行われた別の救助活動では、JRCCのアンドレアス・ザチャリウ広報担当官が、二隻の巡視船が南海岸の町ラルナカの沖合約56キロ地点で177人の移民を乗せた船を救助したと述べた。この船には67人の女性と子どもが乗っており、レバノンから出発していた。
ザチャリウ広報担当官によると、移民は全員健康状態に問題がなく、キプロス内の移民受け入れ施設に移送中だという。
かつて難民を受け入れていたレバノンは、海路による危険なヨーロッパへの移住のための出発点となっている。レバノンの経済危機が深刻化するにつれ、より多くのレバノン人や、シリアやパレスチナの難民が海へと旅立ち、治安当局は毎週のように移民の試みが失敗に終わったと報告している。
AP