
岸田文雄首相は23日、ウクライナのゼレンスキー大統領による国会演説を受け、「ロシアの暴挙を決して許してはならず、困難に直面するウクライナの方々を国際社会全体でしっかり支えていかなければならないとの思いを新たにした」と語った。首相公邸で記者団の質問に答えた。
首相は「極めて困難な状況の中で、祖国と国民を強い決意と勇気で守り抜こうとする姿に感銘を受けた」と演説を評価。ゼレンスキー氏が言及した子どもを含む民間人の犠牲に関し、「非情な攻撃は許してはならない」と述べた。
林芳正外相は外務省で記者団に「G7(先進7カ国)をはじめ世界の各国と連携しながら、ロシアの侵略という事態を一刻も早く終わらせるため、最大限の努力をしなければならない」と強調。「われわれはウクライナと共にある」と連帯を呼び掛けた。
ゼレンスキー氏は各国議会で、厳しい苦言や難しい要求を突き付けてきたため、演説前には「何を言われるか怖い」(政府関係者)との声もあった。しかし、今回の演説でそうした言葉はなく、政府内には「サプライズはなかった」(外務省幹部)と安堵(あんど)感も漂った。
時事通信