
モハメド・ナジーブ
ラマッラー:パレスチナのマフムード・アッバース大統領は金曜日の国連演説で、イスラエルは二国家解決への取り組みを意図的に妨害しており、もはや和平プロセスにおける信頼できるパートナーとは見なすことはできないと述べた。
イスラエルは「絶対に責任を問われない特権」に守られて、ガザ地区とヨルダン川西岸地区の人々に対する行動をとっており、和平の見通しに対するパレスチナ人の信頼は「後退」していると述べた。
パレスチナ自治政府のアッバース大統領は、国連総会での演説で、「(イスラエルは)計画的かつ意図的な政策によって、二国家解決案を破壊している」と語った。
「これは、イスラエルが平和を信じていないことを明確に証明している。つまり、もうイスラエルは交渉できるパートナーではない」
アラブニュースに語ったところによると、多くのパレスチナ人は、アッバース氏について、パレスチナ人の苦しみを率直、ストレートかつダイレクトに表現したと評価している。
ジェニンの男性ワリード・マシャルクさんは、「イスラエルの占領政策によるパレスチナ人の苦しみを伝えた」とし、アッバース議長の演説に満足したと述べた。
そして「大統領にそれ以上を望むことはできない。イスラエルによる占領の終了に1年という期限を設けて、大統領がパレスチナ自治政府を解散し、イスラエルとの安全保障上の協力を停止すると脅すならば、それはイスラエルに圧力をかけることになる」と付け加えた。
12カ月前、アッバース氏はビデオ会議による国連演説で、1年以内にイスラエルが占領地から撤退しなければ、1967年以前の国境線に基づくユダヤ人国家を認めないと述べた。金曜日にはその最後通牒に触れず、代わりに世界がパレスチナ占領地区を承認していないことを強調した。
ラマッラー北部のアローラ村のナセル・オデさんは、アラブニュースに対して次のように語った。「パレスチナ人の苦しみに対する同情を世界から集める以外に、アッバース大統領に何ができようか? パレスチナ人は、米国や欧州諸国に圧力をかける手段を全く持っていない」
また、世界がイスラエルを贔屓していることを強調した。
「イスラエルへの最大の脅しとなるのは、自治政府を解散するアッバース氏の決断だが、自治政府の解散はパレスチナの目的にプラスになり、パレスチナの人々の利益になるだろうか? 自治政府は、そのすべての短所にもかかわらず、パレスチナ人の要求に基づき、アッバース氏の政策は、反対勢力、特にハマスの政策よりも良い」とオデさんは付け加えた。
パレスチナの政治アナリスト、ガッサン・アル・カティーブ氏は、アッバース議長の演説を聞かなかったのは、新しいことは何も言わないことが事前に分かっていたからだと、アラブニュースに対して語った。
ガザのハマス政治部門幹部のバセム・ナイム氏は、アッバース氏の演説を評して、論理的で分別があったと述べた。
「それでも、アッバース氏の演説には、パレスチナとイスラエルの間の紛争に対する同氏の態度の変化は見て取れなかった。アッバース氏は、イスラエル占領下での安全保障上の協力の停止、パレスチナ諸派との関係改善、パレスチナ分裂の終結、イスラエルの承認撤回、パレスチナ自治区での総選挙の実施といった決定は行わないだろう」と述べた。
「アッバース氏が言葉を行動に移さない限り、それは単なる1日のニュースに過ぎない。イスラエルは、アッバース議長の演説によって、自治政府に対する態度を変えることはないだろう」
「だからイスラエルや米国との関係を再考し、イスラエルへの承認の撤回と安全保障上の協力の停止を要求する、パレスチナ解放機構の決定を実行に移すべきだ」とナイム氏は付け加えた。
東エルサレムのファタハ運動のメンバーアハメド・グネイム氏は、アッバース氏が演説で昨年のイスラエルへの最後通牒について言及することを期待していたが、「それは言及されなかった」とアラブニュースに述べた。
「パレスチナ人が知りたがっていること、すなわち期限が切れた後アッバース氏が何をするつもりなのかを述べなかった」と語った。
大統領の演説はアッバース氏自身の不満と失望の大きさを反映していたと、グネイム氏は付け加えた。
「世界の前でイスラエルが当惑するような勇気ある大胆な決断をせず、悲しみを売り物にして懇願した」と批判した。
イスラエルは1967年から東エルサレムとヨルダン川西岸を占領し、2007年以来、イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナのガザ地区を封鎖している。