
メネクセ・トキャイ
アンカラ:トルコは、同国南部沿岸のメルスィン県の警察宿舎への襲撃に関与したとして、クルディスタン労働者党(PKK)を非難した。
伝えられるところでは、襲撃を実行したのは女性2人で、月曜遅くに銃身の長い武器で銃撃を行い爆弾を爆発させた。この攻撃で警察官1人が死亡、1人が負傷した。
袋に入った爆弾が宿舎付近で別に発見されたが処理された。
トルコ内務省によると、襲撃犯の一人は2013年にメルスィンでPKKに加入したディルサ・エルカン容疑者(コードネーム「ゾザン・トラン」)であることが特定された。
司法捜査が始まっており、事件に関与したとして22人が拘束され取り調べを受けている。
トルコ、米国、EUによってテロ組織に指定されているPKKは、1984年にトルコに対する激しいテロ運動を開始し、以来4万人が犠牲になっている。
イギリス外務省はトルコ内のイギリス国民に対し、シリア国境から10キロメートル以内の地域には行かないよう勧告している。
襲撃があった月曜日は、来年の選挙運動に向けた討論がトルコ国内で行われていた時だった。
アンカラを拠点とする「テロ・過激派対策研究センター(TERAM)」の所長を務める退役大佐のエロール・ブラル氏はアラブニュースに対し、メルスィンの襲撃は、現在もトルコの町で活動しているという、PKKからトルコ政府へのメッセージだと指摘した。
同氏は、「テロは政治的暴力を行使するための手段だ。今でもトルコにおいて特定の標的に対するテロ攻撃を行うことができることをPKKは示したかったのだ」と語った。
また、PKKは都市部でこのような規模の攻撃はしばらく行っていなかったと指摘した。トルコがテロ対策や情報収集のための措置を強化したことが功を奏したためであるという。
「今回の攻撃はPKKの都市部のチームが実行したものだ。実行犯は、この地区に詳しい者であるうえ、そのような都市部での作戦のために特別な訓練を受けた者のように思われる。警察宿舎の警備が警察署ほどには厳しくないだろうということをよく知っていたのだ。だからそれを標的に選んだ」
さらに、PKKがトルコに対してシリアで作戦を実施しないようにとのシグナルを伝えるために今回の攻撃を利用した可能性もあると指摘した。
「今回の攻撃に潜在するもう一つの理由は、トルコがイラク北部においてPKKの潜伏場所を標的として実行した越境作戦に対する報復かもしれない」
トルコのフルシ・アカル国防相は月曜日、4月の越境作戦開始以来、イラク北部でPKK構成員約400人が「無力化された(降伏したか、殺害されたか、捕捉された)」と発表した。
トルコ国家情報機構(MIT)は9月23日、レッドノーティスが発行されていたPKK構成員を捕捉した。また水曜日には、別の構成員のサバ・オグル容疑者を捕らえた。アカル国防相は同日、宿舎襲撃はシリアで計画されたと述べ、「機が熟せば犯人に対して必要な行動が取られるだろう」と付け加えた。
一方、トルコによる対ダーイシュ作戦では、ダーイシュの容疑者16人がイスタンブールで、8人がメルスィンで捕らえられた。
シンクタンクTERAMは、トルコにおける対テロ作戦を注視している。ブラル氏はこう語る。「毎月、様々なグループのテロリスト約1000人がトルコで捕らえられており、その一部は拘留されている。したがって、トルコの対テロ作戦は今回の攻撃の後も同じように精力的に続けられるだろう」