

テヘラン:ヒジャブを着用したイランの著名な女性数十人をあしらったモンタージュ写真が、マフサ・アミニさんの死に対する抗議行動の中で批判を浴び、14日にテヘラン市内にある掲示板から削除された。
設置後わずか24時間以内の措置だった。
イランでは、女性に対する厳格な服装規定に違反したとしてテヘラン市内で道徳警察に逮捕されたアミニさんが亡くなって以来、1ヵ月にわたって抗議行動が続けられている。
暴力を伴ったこの街頭での抗議行動により、これまでにデモ参加者を中心に数十人が死亡し、数百人が逮捕された。
死亡者の中には治安部隊の隊員も含まれている。
テヘランの中心街にあるバリアスル(Valiasr)広場では13日未明、オリジナルの掲示板が登場した。
「私の祖国、イランの女性たち」と書かれたスローガンの周囲には、イランの著名人のモンタージュ写真があしらわれていた。
写真の人物の中には、数学者の故マリアム・ミルザカニ氏、20世紀初頭の革命家ビビ・マリアム・バクティアリ氏、詩人のパルビン・エテサミ氏など、スポーツ選手や政治家、科学者らが含まれていた。
ところが、翌14日の朝には、掲示板のスローガンの部分は残されたものの、モンタージュ写真の部分は白い背景に変更されていた。
イランのファルス通信によると、この変更は、掲載された人々の一部が、自分たちとの「整合性の欠如」を理由に、写真の削除を求めた後にとられた措置だという。
また、最近の抗議活動でヒジャブ(スカーフ)を外していた女性もあしらわれていたことから、この掲示板を批判する人もいたという。
イランの受賞歴のある女優であるファテメ・モタメド・アーリアさんは、ソーシャルメディアで拡散された感情を露にした動画の中で、自分の写真を削除するよう求めていた。
「私はマフサの母であり、サリナの母であり、この土地で殺されているすべての子どもたちの母である。私はイランのすべての母であり、殺人者の国の女性ではない」と、モタメド・アーリアさんは述べた。
モタメド・アーリアさんはヒジャブと呼ばれるヘッドスカーフを着用せず、バリアスル広場を通過する車の中とみられる場所で撮影された動画に登場した。
掲示板は、革命派の映画や文化的制作物で知られる「オウジ・アーツ・アンド・メディア・オーガニゼーション」(Owj Arts and Media Organization)が設置した。
この組織は、イラン国営通信IRNAが伝えた声明の中で、写真の削除を決定したのは「論争と反応」の後であったと述べている。
バリアスル広場の掲示板には、宗教的、社会的、政治的なテーマに関連した象徴的な絵が描かれていることがよくある。
AFP