アラブニュース
チュニス:チュニジア当局は、地中海を渡って欧州に行こうとして死亡した移民15人の遺体を収容した。沿岸警備隊が14日、発表した。
沿岸警備隊の声明によると、遺体が見つかったのは12日と13日で、場所は、首都チュニスの南方200キロ(124マイル)の所にある町マディアの近くの海岸だった。
ほとんどがチュニジア人とみられ、それ以外の人たちはサハラ以南のアフリカから来た、と声明には書かれていた。
マディアはイタリア南部のランペドゥーサ島の近くにあるため、貧困や紛争、迫害から逃れようとする中東やアフリカからの移民の出発地点になることが多い。
10日には別の事件で、沿岸警備隊がチュニジア南部の港町ザルジス沖、リビアとの国境の近くで移民8人の遺体を回収した。
チュニジア赤新月社によると、彼らは、ザルジス地方出身のチュニジア人の若者18人(ほとんどが16〜18歳)から成るグループのメンバーで、9月26日に間に合わせのボートで欧州に向けて出発していた。
救助隊は14日、生存者の捜索を続けていた。
ザルジスの住民は、当局が捜索救助活動を始めるのが遅いと非難している。
住民らは今週、抗議活動を行い、「子供たちを返してくれ」と叫んでいた。
抗議者らはタイヤを燃やし、ザルジスの主要道路を塞いだ。
暗い経済見通しと長引く政治危機に直面し、欧州でのより良い生活を求めて命を危険にさらすチュニジア人が増えている。
移住を注意深く監視しているNGO「経済的・社会的権利のためのチュニジア社会観察団」によると、2022年に入ってから、地中海で507人のチュニジア人移民が死亡もしくは行方不明になっているという。
国家警備隊のフサメディン・ジェバブリ報道官によると、沿岸警備隊は2022年1月から9月にかけて、イタリアへの不法移住の試みを1500件以上阻止したという。
不法移住には家族全員が関与し、子供も約2500人いた。
先週末だけでも、子供8人を含む約200人の移民が海で捕捉された、と国防省は発表した。