
ドバイ:2022年10月17日月曜、イラン司法府は、テヘランの悪名高いエビン刑務所で発生した火災による死者数が増加し、全国で抗議活動が続く中、少なくとも8名の受刑者が死亡したことを明らかにした。
若い女性が警察に拘束され死亡した事件に端を発する、全国的な反政府デモが5週目に入った2022年10月15日土曜夜に、エビン刑務所で発生した火災の詳細は未だ明らかになっていない。
イラン司法府の公式ニュース通信ミザンは新たな死者数を発表し、火災での負傷が原因で受刑者らが死亡したことを伝えた。
また、死亡者は全員、窃盗容疑で拘束されていた者だと述べた。
ミザンはこの火災を「受刑者同士がけんかをし、火災が起きた」と説明したが、その主張を裏付ける証拠は示していない。
イラン国外の活動家らは、イラン政府の主張には依然として疑問が残ると言う。
特に、最近の全国的な抗議活動に関する政府の説明は、実際に現場で起きていることとは大きく異なっていると言う。
2022年10月15日土曜夜、テヘランのエビン刑務所から上がる炎と濃煙は、広い範囲で目撃された。
ネット上の動画では、刑務所近辺で、発砲音や爆発音が聞こえている。
火は数時間後に消し止められたが、被収容者に逃亡した者はいないと国営メディアが報じた
当局は、刑務所の火災を、現在進行中の抗議活動から切り離そうとしており、国営メディアは暴力について相反する説明をしている。
エビン刑務所には数百人が収容され、人権団体よると、刑務所内では受刑者への虐待が繰り返されていると言う。
抗議活動は、22歳のマフサ・アミニさんが警察に拘束され死亡したことに対する国民の怒りに端を発している。
アミニさんは、テヘランで、国の厳しい服装規定に違反したとして、イラン道徳警察に逮捕された。
イラン政府は、アミニさんは警察での拘束中、不当な扱いは受けていないと主張するが、アミニさんの家族は、拘束された後アミニさんの体には複数のあざや、殴られた跡があったという。
週末にオレゴン州を訪問したジョー・バイデン米大統領は「イラン政府は非常に抑圧的だ」とし「路上で抗議活動を行っている人々に多大な敬意」を払うと述べた。
エビン刑務所は、安全保障に関わる罪状で拘束され、二重国籍者など保安関連の罪に問われた受刑者も拘束しているが、かねてより受刑者を虐待していると権利団体から告発を受けている。
この刑務所は長年、政治犯や、イランが国際交渉の切り札として利用する西側とのつながりを持つ人々を収容することで知られている。
AP