
アラブニュース
ロンドン:イラン人の16歳の少女が、テヘランにある学校の教室で、体制を支持する歌を歌うことを拒んで殺害されたと伝えられた。
イラン教職員協会の連絡協議会によると、16歳のアスラ・パナヒさんは10月13日、全国にデモが拡大する中でアルダビールにあるシャヘド女子高校に強制捜査が入った際、他数名のクラスメートとともに治安部隊員に殴打されたという。
少女たちの何名かは病院に運ばれ、多くが逮捕された。パナヒさんは怪我がもとで亡くなったと考えられている。
イラン当局者はこの件に国の責任はないと主張した。少女の死に怒りが広がる中、パナヒさんの叔父を名乗る人物が国営テレビに出演して、パナヒさんの死因は先天的な心臓疾患だと語った。
8月に道徳警察に拘留された22歳のマフサ・アミニさんが亡くなったことを発端として、ここ数週間イラン全土で抗議デモが拡大している。
とりわけ若い女性と少女たちが反政権デモに参加しており、ヒジャブを脱ぎ捨ててアリー・ハメネイ最高指導者に反対するスローガンを唱える多くの女性や少女たちの姿を捉えた動画がネット上で広まっている。
デモ参加者への取り締まりは暴力的なもので、学校に乗り込んで生徒たちを逮捕し、殴打し、催涙ガスを浴びせるといった行為が行われている。
イラン教職員組合はこれを「残酷で非人間的」な振る舞いだとしている。
イラン・ヒューマン・ライツによると、これまでにデモとその取り締まり中に215人が死亡し、内27人が子供であった。
ナズニンという偽名を名乗った少女は、ガーディアン紙に次のように話した。
「両親は私の命を心配して、学校に行かせてくれません。
しかし、それで何が変わったでしょうか。政権は女子生徒たちを殺し、逮捕し続けています」
「怒りに震えながらただ家にじっとしていても、何が得られるでしょうか。
私とイラン中の仲間の学生たちは、今週街中で抗議デモを行うことを決めました。
両親に隠れてでも、私は参加するつもりです」
また別のネルギスと名乗る女性は、2人のイラン人女子生徒、17歳のニカ・シャクラミさんと16歳のサリナ・エスマイルザデフさんの死に続いてパナヒさんが亡くなったことで抗議デモに参加したところ、ゴム弾で撃たれた時のことをガーディアン紙に語った。
「アルダビールに親戚は一人もいません」とネルギスさんは言う。
「でも、残虐な弾圧に遭った16歳の女の子たちは、姉妹のように感じられます。彼女たちが、国中を目覚めさせたのです」
「私たちがこんなに強く結びついているなんて、考えもしませんでした。クルド人地域やバローチ人地域まで、国中で。
世界はニカ、サリナ、アスラという名前を耳にしましたが、他にも私たちが何も知らない、無名の子供たちが本当に多くいます」
「イラン・イスラム共和国は40年の間、国民を殺し続けてきました。
でも、私たちの声は届かなかった。
世界に、これはもはや抗議活動ではないと知ってもらいましょう。
私たちが求めるのは、革命です。
あなた方誰もが私たちの声を聞いている以上、私たちは止まるつもりはありません」