
ナブルス:25日朝、イスラエル軍が占領地ヨルダン川西岸地区で全面攻撃を行い、パレスチナ人6人が死亡、約20人が負傷した。パレスチナ保健省が発表した。
イスラエルのヤイール・ラピード首相は、ヨルダン川西岸地区北部ナブルスで殺された人の一人はワディー・アル・ホウ氏だと述べた。同氏は、「獅子の巣」と呼ばれるパレスチナ人戦闘員の新たな連合の好戦的な指導者だ。
パレスチナ保健省は当初、「ナブルスでイスラエル軍が発砲」して3人が死亡し、19人が負傷し、そのうち3人が重傷だと発表した。
その後に出された声明には、ナブルスで他のパレスチナ人2人が死亡し、ラマッラーの近くで夜に起きた衝突でパレスチナ人がもう一人殺されたと書かれていた。
イスラエル軍は、「獅子の巣の主要工作員が使っている」場所を標的にして、警察や情報部員とともに大規模な作戦を実行したと発表した。同軍は、その場所はその組織の「本部兼武器製造工場」だと説明した。
「我が軍はその爆発物製造施設を爆破した」とイスラエル軍の声明は付け加えたが、死者数は明らかにしなかった。「活動中、複数の武装した容疑者が被弾した」
イスラエルが1967年から占領しているパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区北部、とりわけナブルスとジェニンではここ数カ月、暴力事件が増加している。
国連によると、今年殺害されたパレスチナ人の戦闘員や民間人は100人を越えており、ヨルダン川西岸地区の死者数はこの約7年で最も多くなっている。
ラピード氏は、イスラエルの公共ラジオKanでパレスチナ武装勢力に対し、「どこにいても見つかるということを分からなければならない」と警告した。
「イスラエルは自国の安全のために決して行動を止めない。しなければならないことをする」と同氏は付け加えた。「目標はテロを減らすこと。そして、テロがイスラエル国民に影響を及ぼさないようにすることだ」
パレスチナのマフムード・アッバス大統領の報道官であるナビル・アブ・ルデイナ氏は声明で「アッバス大統領は、ナブルスで行われている、このパレスチナ人への攻撃を止めるため、緊急に連絡を取っている」と述べた。
ここ数週間、若いパレスチナ人戦闘員(ファタハやハマス、イスラム聖戦などの主流派に属する者もいる)のグループが、ナブルスから武力攻撃を行っている。
「アリーン・アル・ウスード(獅子の巣)」と呼ばれる新しいグループは、2週間前に占領地ヨルダン川西岸地区で起きたイスラエル兵への死者を伴う攻撃について犯行声明を出した。
「ナブルスのライオン」の異名を取り、リーダーを務めた故イブラヒム・アル・ナブルシ氏は、8月にイスラエル軍に射殺される前は、若者たちを奮い立たせていることで有名だった。それ以降、同氏はソーシャルメディアで、パレスチナ人にとっての英雄になっている。
その後、イスラエル軍はナブルスへの統制を強め、ナブルスを離れる人たちを特定するために管理体制を整え、観測用ドローンを使って上空を常に監視している。
22日夜、ナブルス旧市街で、獅子の巣の戦闘員であるタメル・アル・キラニ氏が「爆発」で死亡した。獅子の巣とイスラエルの報道機関は、イスラエル軍が遠隔で起動した爆弾によるものだとしている。
同軍はこれらの主張についてコメントしなかった。
これとは別に、人権団体アムネスティ・インターナショナルは25日、国際刑事裁判所(ICC)に対し、8月にガザで起きた死者を伴う戦闘でイスラエル軍とパレスチナ武装勢力の両方が犯した可能性がある「戦争犯罪」を調査するよう要請した。
イスラエルに封鎖されているガザ地区では、3日間の戦闘で、戦闘員や子供を含む民間人など、少なくとも49人のパレスチナ人が殺害された。
AFP