
モハメド・ナジブ
ラマッラー:イスラエルの治安当局は、議会選挙の前夜にヨルダン川西岸地区とガザ地区の交差地点を完全に閉鎖した。投票日にイスラエル国内またはヨルダン川西岸で、イスラエルを標的にしたパレスチナ人の武力攻撃を恐れた措置。
ヨルダン川西岸地区およびガザ地区におけるすべてのイスラエルとの境界地点は、11月1日に行われる選挙を考慮して、10月31日の深夜から11月1日の深夜までの間、閉鎖されたままとなっている。
13万人以上のパレスチナ人労働者がイスラエルに入国できなくなり、物資の輸出入も停止される。
パレスチナの経済専門家がアラブニュースに語ったところによると、この閉鎖でパレスチナ経済は何十万ドルもの損失を被ることになる。
イスラエルは、パレスチナ人が選挙前後に、ヨルダン川西岸とイスラエル国内で武力攻撃を計画しているとする数十件の機密情報を情報機関が入手したと主張した。
ここ2日間でこの種の警告が急増したため、イスラエル軍関係者の間では、選挙期間中の攻撃の可能性に対する懸念が高まっている。
イスラエル公共放送協会(KAN)は、イスラエル情報機関がここ数日、ヨルダン川西岸地区のイスラエル国防軍関連の目標や入植者に対する軍事攻撃の可能性に関する約100件の治安上の警告を受けたと報じた。
これを受けて、エルサレムの警戒態勢は最高レベルに引き上げられ、ヘブロンではイスラエル軍の態勢が強化された。
イスラエル治安当局は、攻撃の増加と、10月29日にヘブロンで起きたようなヨルダン川西岸北部から南部への攻撃地域拡大が、強い懸念を抱かせるとしている。
イスラエル首相府の声明によると、イスラエルのヤイール・ラピード首相は10月30日夜、ヘブロン地域とヨルダン川西岸の残りの地域で、同日夜からイスラエルの治安部隊を強化し、すべての活動領域において厳戒態勢を継続するよう命じた。
「我々は、攻撃の加害者とその送り手に対して精力的に行動する」と同首相は述べた。
パレスチナ政府高官は匿名を条件にアラブニュースの取材に応じ、選挙期間中のパレスチナ人による武力攻撃は、有権者がベンヤミン・ネタニヤフ氏やタマール・ベン・グヴィール(Itamar Ben Gvir)氏といった右派の人物への投票に傾く結果になりかねない、と警告した。
1日に行われる選挙では、ヨルダン川西岸地区に住む約65万人の入植者が投票すると予想されており、強力な票田を形成している。
イスラエル軍幹部は、パレスチナ治安機関に出頭することを決めた指名手配中のパレスチナ人を軍が逮捕する可能性があると警告した。
「2週間前のナブルス付近の兵士殺害犯らが、パレスチナ治安機関に自首することを我々は認めない。たとえ自首したとしても、どのようにしたら捕まえられるのか、我々の方が知ることになるだろう」
さらに、イスラエル軍と国内保安機関シン・ベットが、それらの襲撃者を見つけ、新たな銃撃を防ぐため、捜索に当たっていると付け加えた。
イスラエル人幹部によるこの脅しは、襲撃を行ったとされる武装集団「ライオンズ・デン」のメンバーを説得して自首させようとしてきたパレスチナ自治政府とその治安機関の努力の妨げになることが懸念される。
ライオンズ・デンの幹部5人が先週、イスラエル軍に追われ続けるか殺されることを恐れて、パレスチナの治安機関に自首した。
パレスチナ自治政府の治安担当幹部は、「イスラエルは、パレスチナ当局による治安維持が成功を収め、パレスチナの各都市内でその権威が発揮されることを望んでいない」とアラブニュースに語った。
「そのため、パレスチナの治安機関が苦心して治安維持の主導権を握るたびに、イスラエル側は度重なる侵攻や挑発的な宣言によって、我々の試みを阻もうとするのだ」