ジャカルタ:インドネシア政府当局者は2022年11月10日木曜、ロシアのウラジミール・プーチン大統領が来週インドネシアで開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席しないことを発表した。
ウクライナ戦争を巡り、アメリカやその他同盟諸国との衝突の可能性を回避する。2022年11月15日から2日間、バリ島で開催されるサミットには、アメリカのジョー・バイデン大統領、中国の習近平国家主席など各国首脳らが出席する予定となっている。今回のサミットで、ロシアのウクライナ侵攻以来初めて、バイデン米大統領とプーチン露大統領が顔を合わせることになっていた。
G20の各イベントをサポートする責任者ルフット・ビンサル・パンジャイタン氏は、インドネシア・デンパサルでの取材に対し、ロシア外相のセルゲイ・ラブロフ氏が同国代表団を率いると説明した。
「インドネシア政府は、ロシア政府の決断を尊重する。プーチン大統領は事前に、ジョコ・ウィドド・インドネシア大統領に、電話でとても友好的に伝えた」と海事・投資調整相でもあるパンジャイタン氏は述べた。
G20の議長国を務めるウィドド大統領とパンジャイタン氏は「両国のリーダーが良い話し合いを行い、ロシアとウクライナの緊張を緩和させることを望んでいる」と述べた。
G20は東南アジアで今週から来週にかけて行われる3つの首脳会議で最大のもので、ラブロフ氏がすべての首脳会議にロシア代表として出席するかどうかはまだ明らかとなっていない。2022年11月10日木曜にカンボジアのプノンペンで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が始まり、続いてG20、タイのバンコクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催される。
アメリカのバイデン大統領は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議とG20に参加する予定で、カマラ・ハリス副大統領がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に参加する。
バイデン大統領は、サミットに参加してもプーチン大統領と会合を行う可能性はないとし、唯一、プーチン大統領と話し合うことは、ロシアで拘束されているアメリカ人らの解放についてだけだと述べた。
バイデン政権の当局者らによると、プーチン大統領が対面またはオンラインで参加することを決めた場合、プーチン大統領を孤立させるために各国の当局者らと調整していると述べた。ボイコットやその他の方法で反対の意を表明することを話し合った。
プーチン大統領のG20欠席の決断は、ウクライナでロシア軍が大きな撤退を余儀なくされたのと同時期であった。ロシア軍は、唯一占領したウクライナの州都であり、ロシアが占領するクリミア半島につながるヘルソン市から撤退すると発表している。
ヘルソン撤退の発表と、冬に戦争がこう着状態となる可能性で、両国が平和交渉を行う機会となるかもしれないとアメリカのマーク・ミリー統合参謀本部議長が、2022年11月9日水曜日に述べた。
ミリー氏は戦争で、4万人のウクライナ市民と10万人をはるかに超えるロシア軍が死傷し、戦争は9ヶ月目だと述べ、「同じことがウクライナ側でも起きているだろう」と付け加えた。
AP