
モハメッド・ナジブ
ラマッラー:パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領は14日、占領下のヨルダン川西岸地区でイスラエル軍が16歳のパレスチナ人少女フラ・マサルマさんを殺害したことを受け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によるイスラエルの強硬政策に対し改めて懸念を表明した。
パレスチナ保健省は声明で、イスラエル兵によるベイトゥニア市襲撃中に、ヘブロン南部にあるダヒリヤの町出身の少女が頭を撃たれ死亡したと発表した。
イスラエル軍は14日の夜明け、ヨルダン川西岸一帯でパレスチナ人数人を一斉検挙し、同地区にあるいくつかの町で大規模な侵攻作戦を実行した。
アッバース大統領は、ネタニヤフ首相はパレスチナ人との「和平を信じる人物」ではないが、和平交渉の見通しが最小限であったとしても「交渉」を余儀なくされるだろうと述べた。
同大統領は11月13日、エジプトのテレビ局によるインタビューでそう語った。
アッバース大統領はそのニュース番組で次のように語った。
「私はネタニヤフ氏とは長い付き合いで、90年代から何度も交渉してきた。平和を信じる男ではない」
大統領はこう述べた。
「他に選択肢はなく、ネタニヤフ氏と交渉することになる。イスラエルの代表として、誰と取引できるというのか。私の土地と国を占領しているイスラエルとの間に問題がある。その首相は誰か。ネタニヤフ氏だ。彼と交渉せざるを得ないし、同時に、自分の立場を固持しなければならない」
注目すべきことに、イスラエルの現職および最近の元指導者であるネタニヤフ氏、ナフタリ・ベネット氏、ヤイール・ラピード氏は、アッバース大統領との直接的な接触を拒否した。
同時に、安全保障協力とパレスチナの人道問題解決に焦点を当てていた、ベニー・ガンツ国防相を通じてのイスラエル側のパレスチナ指導者とのつながりは限られていた。
アッバース大統領はこう述べた。「彼(ネタニヤフ氏)が和平を信じないなら、別の解決策を見つければよい。いや、和平は必要だ。
我々がしばしばネタニヤフ氏に、和平プロセスについて話し合うため米国に行くよう強制してきたことが、その証拠だ。しかし、彼は和平を信じておらず、この占領が永遠に続くと信じている」
さらにこう付け加えた。
「今の米国では、多くのアメリカ人がネタニヤフ氏の地位を受け入れておらず、今までになかったことだが、多くのアメリカ系ユダヤ人はイスラエルがアパルトヘイト国家であると言っている。さらに、アメリカの教会の90%はイスラエルの政策を信じておらず、この政策はいかなる結果にも結びつかないと公に宣言している」
パレスチナ人は親イスラエル思想の支配を覆すため、米国でパレスチナの物語を宣伝するために累積的に働いている、とアッバース大統領は付け加えた。
「パレスチナの人々はこの政策を十分に認識しており、75年間占領下にいたため、解決策が明日にあると錯覚することはない。我々はイスラエルを知っている。彼らの理論が失敗しない限り、パレスチナの土地からの撤退は難しい」とアッバース大統領は述べた。
さらにこう付け加えた。
「最近、両国関係についてイスラエルと話し合った。オスロ合意では、双方とも一方的な行動を取ることは禁じられていると告げた。イスラエルは一方的に行動している。それを止めて、我々の金を解放しなければならない」
同大統領は、エジプトとアルジェリアによるファタハとハマス間の和解を促進する努力が成功したことを称賛した。
また、自分はハマスに対し、PLOがパレスチナ人民の代表であることを認め、その国際的な正当性を確認するよう求めているだけだ、と付け加えた。
アッバース大統領は、パレスチナ解放機構がナクバ以来パレスチナ人にとって最も重要な政治的手段であり、PLOなしでは国家もパレスチナの実体も存在しないだろうと述べた。
また、インタビューの中でアッバース大統領は、米国政府がイスラエルとパレスチナの和平プロセスを仲介していることを批判し、米国がパレスチナ問題に関与して以来、一歩も前進していないと警告した。
「米国が1993年にパレスチナ・イスラエル間の問題に手を出して以来、今日に至るまで、状況は進展していない。我々は日々、両国関係についてアメリカと交渉し、接触している」とアッバース大統領は付け加えた。
パレスチナの指導者は、すべての当事者に受け入れられる平和的な民衆抵抗の政治的手法を採用したと述べ、さらにパレスチナ問題は「複雑」であり、「解決にはほど遠い」と付け加えた。
アッバース大統領は次のように述べた。
「我々は、70年以上にわたって国連が私たちを無視してきたことを知っており、圧力にもかかわらず国連の常任理事国入りと国際司法裁判所へのアクセスを求めている。
「とはいえ、我々には信念があり、独立した決定を維持しているので、圧力にかかわらず躊躇せず継続する」