• UNRWAは5,000万ドルから8,000万ドルの資金を緊急に必要としている

ラエド・オマリ

アンマン：国連の救済機関は、即時の資金注入を受けない限り、パレスチナ難民へのサービス提供に大きな支障をきたすと警告している。

財政難にある国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、今後数週間のうちに、UNRWAが「今年を締めくくり、学校、保健センター、その他の基本サービスを継続するために」5,000万ドルから8,000万ドルを緊急に必要としていると述べた。

この当局者は月曜日、ヨルダンの首都アンマンで開かれた年2回のUNRWA諮問委員会の際に記者会見し、次のように述べた。

ガザ、ヨルダン川西岸、レバノン、シリア、ヨルダンの多くのパレスチナ難民が「ほぼ完全にこの機関の支援に依存している」と同氏は指摘し、戦略計画の目的を達成するために今後3年間で2億ドル近くが必要だと付け加えた。

ラザリーニ氏は、地域紛争や不安定な状況、コロナウイルスの大流行などにより、パレスチナ難民の困窮が増していることを指摘した。

同氏は次のように述べた。

「UNRWAは同じ財源では運営できないので、難民コミュニティのニーズを満たすために、より多くの資金を確保する必要があるのです」

UNRWAは、増大する財政難に対処するために緊縮財政政策を採用してきたが、「高いコストと難民のニーズの増大を考慮すると、同じ方法で運営を続けることはできない」と同氏は付け加えた。

UNRWAが運営するパレスチナ難民キャンプ（主にガザ、レバノン、シリア）の貧困率が「約80％という前例のないレベルに達している」と同氏は指摘し、「ガザでは40％の子どもたちが悲惨な状況のために毎朝の朝食をとることができない」と述べた。

また同氏によると、レバノンではパレスチナ難民の多くが貧困層であり、シリアでは他に行く場所がないため、壊滅したキャンプで「瓦礫」の中に暮らしているという。

ラザリーニ氏は、国連機関は難民キャンプで「公共部門のような役割」を担っていると述べ、イスラエルとの長期にわたる紛争に公正な解決策がない中で、「パレスチナ難民にとって最大の投資」であり続けていると付け加えた。

また同氏は、追加資金がなければ、570万人のパレスチナ難民に対して「UNRWAは教育や保健分野で同じ質のサービスを提供し続けることができないだろう」と指摘した。

UNRWAは、長年の援助資金供与者らに働きかけ、その地位を強化し、国際社会の課題として存続させることに成功した、と同氏は言及した。

「この支援は、国連加盟国の多くがパレスチナ難民の幸福と人権の実現にとってUNRWAがかけがえのない存在であると深く信じていることに由来しています」

ラザリーニ氏は、先頃のサウジアラビアからの、同地域における同機関のプログラムや事業を支援するための2,700万ドルの寄付を歓迎した。

「2015年から2018年にかけてUNRWAがアラブ湾岸諸国から受け取った資金のレベルに再び到達することを含め、すべてのアラブ湾岸諸国との堅実で予測可能なパートナーシップを再開することが、今の私の希望です」と同氏は付け加えた。

また月曜日には、ヨルダンのアイマン・サファディ外相が国際社会に対し、UNRWAに対して必要な財政支援を維持するよう求めた。

アンマンでの会議の冒頭で、同大臣はパレスチナ難民に必要不可欠なサービスを提供する同機関の「必須の」役割の中心性を強調した。

サファディ外相は、「政治的支援を持続可能な財政支援に転換することで、同機関の財政赤字を補い、パレスチナ難民へのサービスを継続できるようにする」必要性を強調した。

UNRWAは、2018年にアメリカのドナルド・トランプ前大統領が削減した3億6,000万ドルの米国資金を失い、財政問題に陥った。

2021年4月、ジョー・バイデン大統領の政権は、米国からのパレスチナ人への支援として2億3,500万ドルを提供すると発表し、その3分の2はUNRWAに拠出されることとなった。