サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:16日、イエメン政府軍と親イラン武装勢力フーシ派がタイズ市で激しい戦闘を開始した。その前にフーシ派は、丘の上にある戦略軍事基地を砲撃・攻撃した。地元軍当局者が明らかにした。
タイズにいるイエメン軍当局者、アブドル・バシット・アル・バヘル氏はアラブニュースに対し、「フーシ派は16日朝、タイズ北西部にある防空軍事基地を砲撃した後、地上部隊を送り込んでその基地を攻撃した」と話した。
これにより、政府軍との激しい戦闘が始まり、さまざまな場所で爆発が起きた。
「イエメン軍兵士はフーシ派を後退させ、機関銃を撃ち合い、撤退させた」とアル・バヘル氏は述べた。
フーシ派は以前から、重要な防空軍事基地を占拠しようとして攻撃している。同基地を占拠すれば、人口密度の高いタイズ市のいくつかの地域に対する射撃統制が可能になり、タイズ市と南部の町を結ぶ道路を閉鎖することによってタイズ市の包囲を徹底的に強化することができる。
「防空軍事基地は、多数の丘にまたがる無秩序に広がった軍事施設であり、1970年代に中国によって開発された」とアル・バヘル市は述べた。「この基地を支配すれば、フーシ派はタイズ北西部を完全に占拠できるだろう。したがってフーシ派は軽量兵器を使って、タイズ市と外の世界をつなぐ唯一の道路を封鎖するだろう」
フーシ派は数年にわたって、タイズ市の民間人居住地区や軍事施設を攻撃してきた。フーシ派が同市の中心街を支配するのを阻止している、政府軍の要塞を制圧するのが目的だ。
停戦中であってもフーシ派は同市への攻撃をやめなかった。停戦は国連が仲介し、4月2日に発効した。
仲介国は、タイズの出入りに使われる主要道路を少なくとも1本開放してタイズの包囲を解除するようフーシ派を説得できていない。緊張緩和を求める停戦協定の順守も同様だ。
タイズで新たな戦闘が始まる中、同市の地元保健当局は16日、デング熱が流行しており、今年に入ってから22人が死亡し、現在1万4000人が罹患していると発表した。薬が慢性的に不足しているという。
保健当局のアハメド・マンスール氏はアラブニュースに対し、「タイズ市全域でデング熱の感染が拡大している。人手が足りておらず設備も整っていない医療機関に患者が殺到している」と述べた。
イエメンの当局者は政府機関や外国の援助団体に、患者の治療や蚊の繁殖地の除去の支援を緊急に求めた。
「この病気は、人口密集地域や貧困地域だけでなく全地域で、驚くべき速さで広がっている。感染拡大に対処するためのリソースが不足している」とマンスール氏は述べた。
フーシ派によるタイズの包囲や集中豪雨、イエメン政府や外国の組織による援助の不足、これらがデング熱発症の原因とされている。
「フーシ派がタイズを包囲していることが、感染拡大の主な原因だ。解熱剤、点滴、血小板輸血が必要だ」とマンスール氏は述べた。
フーシ派による封鎖のせいで、危険な険しい道を通ってタイズ市を出入りしたり、必需品を運んだりしなければならない、と同市の住民は以前から不満を漏らしている。